第56話 インターネットモニター体験記

来地球からのメール RELEASE 2.0(集英社刊) という本を読みました。来地球からのメール RELEASE 2.0 著者はエスター・ダイソンという女性です。「インターネットについて最も影響力のある論客」(ニューヨークタイムズマガジン)と評される人で、米国ではビルゲイツに匹敵する著名人だそうです。ママは全然知りませんでしたが(^_^) 内容は、2004年頃のディジタル社会を想定し、仕事、教育、プライバシー、セキュリティ、知的財産権などに論じたものです。

社会が本書の通りになるかどうかは分かりませんが、こうしていきたい/いくべきだという意志や米国のパワーを感じられます。本書の元になったのは「リリース1.0」という会員制の月刊レポートだそうですが、彼女の意見に全米のハイテク産業のトップや政府などが耳を傾ける、というのもうなずける感じがします。かたやディジタル情報化社会に対する日本の政治やお役所仕事、教育現場などお寒い限りで心配になります。

性の為のインターネットサービス「Mail&Chat Lady」の提供開始前のβ版モニターをやりました。NECや電通などの出資した(株)ネットワーク コミュニティ クリエイションと言う会社がOLや主婦向けに提供するインターネットを利用したサービスです。サンケイリビングニュースに一度取材をされたときに入った、「リビング井戸端会議」での募集に応募してモニターに選ばれました。

このモニターは専用のブラウザの様なシステムを使ってインターネット経由でアクセスして、アンケートに答えるというものです。通信費として多少の謝礼が貰えます。採用が決まってからしばらくは音沙汰がなく(その間パソコンが壊れたのは第51,52話に書きました)、CD-ROMと3枚の説明書が送られてきたのは、モニター開始日の前日でした。

CD-ROMケースが封筒に直接入っていたのでケースが破損していて心配だったのですが、インストールはあっけなく終わりました。インターネットに繋いで、仮会員番号とパスワードで「Mail&Chat Lady」のトップページにたどり着けました。

Mail&Char Lady画面 機能の説明は画面上で行われ、詳しいマニュアルがなくてもどんどん使えます。こういうことは簡単そうで意外と難しい。すでに10代の女の子5,000人が参加している「Mail&Chat Clab」を1年前から提供しているそうなのでノウハウがかなりあるみたいです。

β版なので工事中の機能も多いのですが、試しにラッキーボックスというところから日用雑貨のプレゼントに応募してみたら2回も当たり、本当に景品が届きました。謝礼の他に懸賞も当たって、おいしいモニタ仕事です。

在宅勤務の実体のレポート、テレビ番組案内やお出かけ情報など女性向けのサイトが用意されています。また、会員間でメールと出したりチャットもできます。ママが最初にインストールしたシステムでは他の会員にメールを送ると文字化けしたので、スタッフにメールで連絡して、ホームページから修正用のプログラムをダウンロードして障害を回避することができました。

新規提供前なのでいろんなトラブルが起きてもモニター側で問題回避できるようにある程度パソコンを使える人がモニターに選ばれたようです。何人かの会員とメール交換しましたが、会社でパソコンを使ってるOLや自宅で在宅勤務している主婦が多かったです。普段はなかなか知り合いになれない在宅勤務者にお近づきになれて楽しかったです。

回のモニターは、期間中に何回かのアンケートに答えることと、時間を決めて行われるチャットに参加する事がありました。実はママはチャットと言うのははじめてで最初は様子窺いのROM状況でしたが、思い切って話題に参加してみました。

でもチャットってなかなか話がかみ合わないです。自分が今した発言に返事が書かれた時には、他の人が違う話題を振っていてなんだか食い足りない。今回のチャット上の人はみんなモニターだから、あたりさわりのない話題ばかりで盛り上がらないところもあります。話題を絞ったチャットならうまくいくのでしょう。ママは抜けるタイミングが分からずに、最後まで間の抜けた返事を焦ってタイプミスしてますますかみ合わない返事にして送っていました。その中で、さすがに在宅でデータ入力の仕事をしている人のタイピングは早くて正確でした。

でも何故、女性にと限ってのシステムなのかな? ネット上では性別なんて関係ないのに、やはり女性向けとする事でスポンサーが集まりやすいのかな。主婦やOLに必要な情報と言っても、主婦もOLも千差万別だから欲しい情報は違うと思うけど。まあ、ファッションや料理などそれなりに共通なこともあるでしょう。WWWでは検索エンジンが細分化された情報を瞬時に集めてくれるけど、ある程度まとまった情報や情報交換の場所があるのはいいかもしれない。

とにかくモニターを無事に終えました。本運用になったらまた覗いてみようかと思います。

礼を貰ったからという訳ではないのですが、壊れていたテレビを買い換えました。29インチ、ステレオスピーカ付きで5万円弱です。壊れてしまった10年位前に買ったテレビも29インチだったのですが、その当時は15万円ぐらいしました。10年で値段は3分の1、画面は平たくなり、画質も良くなって、技術の革新を感じられます。今度のテレビはSANYOの製品です。本当はSONYの方が良かったのですが、値段の都合での選択です。SANYOの末尾の"O"を切り取って"A"の上に張りつけたい(^_^)

こんな大きなテレビを作って、保管して、広告して、売って、配達して、5万円では割に合いませんね。配達のお兄さんはリモコンに電池まで入れてくれて本当にご苦労様です。今は物を作っても全然儲からない。情報を集めて加工して売ることが、一番です。
だからみんな「Mail&Chat Lady」のようなサービスを考えているのですね。

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M.Nakamura Oct 31,'98