第28話 モバイル端末に思うこと

モバイル・ギア 居人がNECのモバイル・ギアを買った。今までもザウルスは持っていたし、時々富士通製の1K位のB5サブノートパソコン(これは会社のもの)を持ち歩いていた。

しかし、日頃からノートパソコンは重い、バッテリーがすぐになくなる、モバイルにはWindows95はいらない、テキストファイルの編集ができてメールが出来れば十分だとのたまわっていた。でも、それは新しいオモチャが欲しい伏線だったのだろうとママは睨んでいる。

確かにママもノートパソコンでは、メモ帳でのテキスト編集とWWWブラウザ位しか使っていないからなぁ。あとは時々エンカルタを見たり、子供とゲームをする位である。しかし、モバイル・ギアを買ってもすぐに飽きるし、新製品が出たらまた欲しくなるし、だいいちモバイル機器を持ち歩くほど使うの?と思って反対していた。しかしある日、仕事で海外にでかけることになったとか言って、次男をつれて新宿まで出かけていって買ってきてしまった。

同居人はモバイル・ギア(MC-MK22というタイプ)にしたのは、キーボードの操作性・電池の持ち時間・インターネットメールだと言っています。モバイル・ギアにはWindows-CEというWindows-95の子供のようなOSが動くものもあり、その方がママも慣れているのでいいかと思ったが、同居人が言うにはあれはオモチャだそうな。マニアックな人が持つもので、日々の仕事に使えるものではないとのこと。そんなものかなぁ。

が家でNECのパソコンを買うのは、同居人のTK-80、ママのPC8001以来のことです。これらは何れも同居する遥か前に購入したものですが。これを機会にちょっと思い起こしてみたら、同居前にママは富士通のワープロOASYS Lite FROM-7を、同居人はApple-][ (このtwoは][と書くのが通なんだと駄洒落ていた)を持っていた。同居後にも、Macintosh 2台、富士通のワープロ1台、ママの東芝サテライト、今回のNECモバイル・ギアと結構色々な情報機器を買っている。

しかしNECは久しぶりだ。ついに我が家に98文化到来かと思ったら、このパソコンはPC98とは違うようです。OSを全然意識しない仕掛けになっていて、ザウルスみたいな感じです。これならパソコン知らない人でも簡単に使いこなせそう。でもこれだけでは印刷もできないし、沢山の文書を保管できないので、親となるパソコンが必要のようです。

ウィークデイは同居人が持ち歩くので、週末に借りて使ってみました。キーボードがママのノートより小さいけど結構打ちやすい。あとマウスやアキュポイントのようなものが無くてもキーボードの矢印と次ページだけでメニューを出したり、選択する操作ができるのがいいです。Windows-CEというのは、ザウルスのようにペンで指示するようですが、モバイルでペンとキーボードの両方を使うのはちょっと使いずらそうです。

蓋を開くと電源が入り、パスワードを入力すると前回利用した画面が見れます。メニュー画面を出してみると電子メール、ワープロ、アドレス帳、ファクスなどの機能が表示されます。これはパソコンというよりワープロ専用機やザウルスの初期メニューと同じ雰囲気です。

確かに、ママのノートはテーブルの上に運んで、延長コードでプラグに繋いで(コードの長さが足りません)Windowsが立ち上がる待つことを考えると、モバイル・ギアは簡単に必要な機能に辿り着ける。持ち歩かなくても、初心者にはこっちの方が取っ付きがいいかも知れません。

ワープロ機能を使ってみました。ワープロと云ってもWindows95のメモ帳のような感じで、普通のテキスト編集ができるだけです。使い勝手はメモ帳とそれほど変わりませんが、かな漢字変換の反応がちょっと遅いのと、あまり賢くはないのが気になりました。ママはMacintoshではATOKを使っていて、Windows95の変換もちょっとおバカさんだと思うことがあるのですが、それ以上に間抜けな感じです。このあたりが改善されればもっと使いやすくなるのではないかな。

ワープロでは表示する文字の大きさが変えられます。倍角というのか普通の文字の2倍の大きさや横だけ2倍、また2/3位に縮小表示など、何種類かの文字が選べます。このあたりは、老眼ぎみの中年おじさん位までがターゲットだからでしょうか。電車の中などで使う時にはあまり大きな文字だと隣の人に覗かれそうです。

モバイル・ギア・バッグ モバイル機器と言ってもこのままむき出しで鞄の中に突っ込むには抵抗があるので、ママが専用の布袋を作りました。実は同居人が東急ハンズでスポンジ製の汎用の携帯バッグを買ってきたのです、がサイズがぎりぎり入らなかったのです。厚さのことを考えなかったと言い訳けしていますが、こういうところの詰めが甘いようです。

で、急遽手作りすることになった次第です。中は滑りの良いサテンのキルティング、外は紺の丈夫なサージのリバーシブルでつくりました。縦長の口はロープで縛るようにして、簡単に出し入れ可能で多少の衝撃にも対処できるようにしました。

モバイルギアの裏と表が判るように、表にはたまたま家にあった"シラミ名誉勲章"のワッペンを付けました。この中にバグが入ってますよと言う意味です。ママはパソコンよりお裁縫の方が得意なのだ。

kaZma鞄 刊ポストに、山根一眞さんがデザインしたモバイル鞄 、kaZmaスーパーモバイル鞄の新シリーズ(左写真)の紹介記事が載っていました。同居人はその記事があったから買ったと言っていますが、川島なお美の「鍵」のグラビアも載っていて、どっちが目当てだったのか怪しいものがあります。

とにかく、そのkaZmaスーパーモバイル鞄が50名に当たる論文募集があったので、ママも応募してみることにしました。募集テーマは「現場のユーザーからモバイル機器メーカーへの大要望」というものです。

普通の要望ではつまらないので、主婦の立場からの考えを書きましたが、さてどうなるでしょうか。当選論文の著作権は小学館に帰属するとのことなので、当選しなかったらこのページで発表しようと思います。発表は12月らしいのでまだしばらく先のことになります。

同居人はママの手作りバッグにモバイル・ギアを入れて遥かイギリスに出張してしましました。飛行機に乗る前に成田空港からメールを寄越しました。成田空港は例の灰色のISDN公衆電話が殆どだそうで、モバイルには便利のようです。

ママも同居人のNIFTYのアドレスに毎日の日記を転送していました。モデムの接続ジャックの関係でマンチェスターでは通信できませんが、ロンドンのホテルからはしっかりママにメールが届きました。当たり前のことかも知れませんが、地球の裏側と簡単にメールのやり取りができるのはなんだか不思議な感じです。あと、10年もしたら携帯電話を持っていれば世界中どこに行っても通信できるようになるのでしょうか。なんだか楽しみです。


モバイルとは全然関係ないですが、「村上朝日堂」の村上春樹さんにメールを出したら何とお返事を貰えました。それも出した翌日にです。電子メールって凄いです。きっと郵便の手紙なら書かなかっただろうし、返事もまず貰えないでしょう。村上さんは毎日メールをチェックしているようです。今は、長編の仕事をされてないため?かもしれませんが。とにかくうれしい出来事でした。

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M.Nakamura Oct 26,'97