第13話 いよいよNIFTYに繋ぐ

10話で書いた「計算機屋かく戦えり」を読んでいて目から鱗の話しがあった。それはタイガー計算機のことだ。さすがにママもこれの実物は見たことないが(もしかしたら見ていたかもしれないが記憶にない)、話には聞いたことがあった。これはハンドルを回し、歯車を動かすことによって計算をする機械だ。この機械、タイガー計算機なる名前がついているのでてっきり外国製、ドイツあたりの機械だと思い込んでいた。いかにもドイツ人が作りそうな機械じゃないですか。

それが、なんと日本人の発明で日本製だなんて露ほども知りませんでした。発明者は大本寅治郎という人で、この人の名前から計算機の名前を「虎印計算器」とし、のちにタイガー計算器という会社を起こしたのだそうだ。魔法瓶の「タイガー」と関係があるのか、ないのかは書かれていなかった。しかし、この本を読んでいると大正、昭和一桁の日本人はエネルギッシュというか、パワーがあったんですね。まぁ、そういう人たちだからこうして歴史に残っているんでしょうけど。

計算尺 この本には計算尺の開発秘話も載っている。著者も書いているが計算尺を知っている年代とそうでない年代の人は明確に区別されるようだ。ある時を境に学校で教えなくなったらしい。ママは学校で習った(というとまたまた歳がばれる)。

同居人はなんと計算尺を持っていた。本で紹介されていたヘンミ計算尺という会社のコンパクトなタイプで皮のケースが付いている。このヘンミ計算尺のシェアが国内98%、世界の70%だったらしいので他のメーカの計算尺を探す方が難しそうだ。ヘンミというのは逸見治郎という、物差しなどの目盛りを書く職人さんが作ったところからきているそうだ。

よいよNIFTYへの接続だ。たっぷり昼寝したし^_^;; 子供も早く寝た。「DOS/V POWER REPORT」の付録に付いていた「NIFTY Manager for Windows95」をCD-ROMから読み込んだ。インストールも自動的にできてさすがNIFTYが提供していることだけはある。ただ、付録なので詳しい説明書がない。画面のツールの絵で見当を付けてアドレス、パスワード、アクセスポイント、モデムの通信速度などの初期設定した。ヘルプコマンドで詳しい使い方を読めばいいのだが、ママはせっかちだからそんなことしないで取り敢えず、アイコンをクリックしてしまう。

NIFTY Manager ほら、ちゃんと繋がってメールが受信できた。あれ?この通信ソフトは自動的に回線を切断してくれない。ママとしては接続時間をなるべく短くするためにメールと必要なフォーラムの記事を取り込んだら、すばやく回線を切って後はオフラインでゆっくり読みたい。このソフトはバッチ処理ができないようで(ヘルプの中にはその説明はない)オンラインで受信メールを一つづつ、或いは全てとか、どのフォーラムを読むとか指定しなければならないようだ。これじゃNIFTYに儲けさせるだけじゃない、道理で無料配布しているわけだ。まぁ、取り敢えずNIFTYに接続できることはわかったが、日常的にはこのソフトは使えないなぁ。

次に同居人が教えてくれた「窓の杜」というWWWサーバーにあった「Nifterm」というソフトを試してみる。先ずは圧縮を解凍して解説のテキストファイルを読む。今度は少し慎重になったママであった。どうやらこっちのほうが今までマックで使っている「制御卓〜茄子R」の一連のソフトに似ていてバッチ処理でアクセスできるみたい。またまた、NIFTYの初期設定をし、アクセスしてみる。さっき読んだメールはホストから消していないので、もう一度読み直してみた。今度は自動的に回線も切断してくれた。オフラインでメールを読み、返事を書く。これはもういつものマックと同じ感覚で使えた。送信も簡単にできた。使いやすいソフトだ。

Niftermはシェアウェアなので1ヶ月の試用期間を経た後は作者に送金する必要がある。普通のシェアウェアと違って一度払うだけでなく年間900円の使用料だ。ユーザー登録すると1年間有効なパスワードをくれるらしい。プログラムの対価を払うのはいいけど、毎年払うのは面倒だなぁ。それに、もし作者が途中でサポートをやめたら使えなくなってしまう。それを考えると継続利用するのを躊躇してしまう。一括払いで期限なしというメニューもあれば登録するのにな(あんまり高いと払えないけど^_^;;)。

ちょっと前に試しに使ったソフトもシェアウェアだったが、使うたびに「気に入ったらお金を払ってくれ」という画面がでてちょっとうるさかった。確かにソフト開発は大変だという事は承知しているし、気に入ったら払おうとも思う。でも試しに使うたびにいわれちゃうとちょっとね。マックのシェアウェアはそんなにうるさく「金、金」って言わないぞ。フリーのソフトも多いし。ウィンドウズの世界って世知辛いのね。収入のないママにとってはちょっと居ずらい雰囲気になってきた。フリーのソフトで使い易いものを探すとしよう。

最近はシェアウェアの作者もセミプロ化しているのかもしれないですね。インターネットやWWWの普及で、誰でもが手軽にコストをかけずにソフトを配信できるようになり、個人で営業が可能だもの。それはそれですばらしいことだと思う。個人が自分の才能と才覚で作ったもの(ソフトウェアに限らず、小説や漫画、写真、料理のレシピなどなど)を世の中に発表・提供できるんだから。それで、気に入った人が対価を支払うというのいい。厳しい面もあるでしょうが。

NIFTYへの接続についてはソフトの選択にまだ熟慮の余地がある。もう少し色々なソフトを試してみようと思う。また、マックとの使い分けについても考えなくては。

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M.Nakamura Mar 15,'97