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火車に乗る

今回、上海→南京(3時間強)の移動と、南京→蘇州(2時間強)の移動に火車(列車)を使った。車での移動も考えたが、せっかくの機会なので色々試してみたくて列車にした。電車ではない。

列車に乗るまで何度も切符の確認がある。まず、駅舎に入るとき、待合室に入るとき、待合室からホームに出るとき、さらにホームで列車に乗るとき、と乗るまでに4回のチェック。でも、どれもおざなりな感じ。乗ってからも検札があるし、当然到着して改札をでるときもチェックされる。でも、最後も見せるだけで切符は回収されなかった。ちなみに駅舎に入るときには荷物のX線検査もあるが、これもそれほど厳重には思えなかった。

上海駅では、軟座(1等席?)用の専用待合室だったので比較的ゆったりしておりきれいだったが、後日乗った南京駅の待合室は状況が違った。

初めて知ったが、列車の発車時刻近くにならないと改札が開かず、ホームに出られないシステムのようだ。なので全員が待合室で待っていて(その割には少ないような気がしたが)混雑している。

南京駅入口前 南京駅の待合室、遠くに見える赤い掲示板のところが改札
南京駅入口前 南京駅の待合室、遠くに見える赤い掲示板のところが改札

南京駅では一般の待合室?だったので人が多く雑多な感じだ。大きな荷物を抱えた人、朝っぱらから横になって寝ている人がいる。改札が開く時間が遅かったこと、列車に乗り込む人の行列が長いのと、待合室から列車までが遠かったことが相乗し、ホームを歩いているうちに発車時刻になってしまった。発車ベルが鳴り始め、あわてて2車両分くらいを走って何とか間に合った。

なぜ早くからホームに出られるようにしないのかな。そうすれば待合室もそれほど混まないだろうに。なお、南京駅は新しい駅舎を建設中で、駅前は仮設の道路を車と自転車、人が行き交い混雑していた。新しい駅舎になれば混雑も解消されるかな。

南京駅のホーム 車内の様子
南京駅のホーム 車内の様子

車内では車内販売がひっきりなしにやってくる。スイカなどのカットフルーツ、飲み物、お菓子、カップラーメン、本や雑誌・地図など。カップラーメンにはお湯を注いでくれる。ちなみに軟座ではお湯のサービスがあるようで自前のお茶容器にお湯を入れて貰っている人がいた。

向かい座席に座った小学1,2年生くらいの女の子がカップラーメンを食べ始めたが、揺れる列車で熱湯の入ったカップラーメンを食べられると落ち着かない。通路を挟んだ座席に子どものお婆ちゃんらしき人が座っていて、子どもの訴えるままに色々と買い与える。スイカを食べさせたあとにカップラーメンを2杯も食べさせたのには呆れた。一人っ子政策で孫が一人になったためかと邪推する。

座席のテーブルにはその昔、理科の実験でフナの解剖につかったようなステンレス製のトレイがおいてあり、何だろう?と思ったらゴミ箱の代わりのようだ。食べかすなどを捨てている。目の前に食べかすを捨てられるのは気持ちのよいものではない。途中で係員が大きなゴミ袋をもって回収にきた。

南京→蘇州の車窓から 南京→蘇州の車窓から
南京→蘇州の車窓から 南京→蘇州の車窓から

駅周辺はビルや町並みがあるが、少し走ると田園風景が広がる。時々養殖池のようなものも見える。中国では海の魚より川魚(淡水魚)を食べるそうだ。そりゃそうだ。大陸の奥にいったら海なんかないし、昔は輸送もできなかったはずだ。

電化されてなく、架線や架線のための柱もないので車窓からの眺めはよいはず、と思っていたが、線路の両側には風よけのためか木が植えられていて視界を遮っている。それでも所々、木々が切れているところがあり見晴らしがよくなる。そこから見える風景に山は見えない。日本なら山か海が見えるところだが、遠く地平線が見えるだけ。途中、長江(かな?)にでかい吊り橋を建設しているのを見かけた。

途中駅、2階建ての火車が停車中 蘇州駅に到着
途中駅、2階建ての火車が停車中 蘇州駅に到着

列車のトイレは駅が近づくと乗務員が鍵をかけて使えないようにしている。そのまま線路に落ちるトイレのようだ。降りたときにホームから確認したらまさにそうであった。幸い使うことはなかったが。日本も昔はそうだったよ。車窓から線路脇で工事している人々を見かけたが大丈夫なのか心配だ。

今回、外国人が切符を購入するのが難しいとのことで、予め手配しておいてもらった。現地の人でも面倒なようで、代理店のようなところに依頼してくれたようだ。日本だと例えば新幹線の切符を旅行代理店で購入しても手数料はかからないが、中国では手数料が必要とのこと。大した金額ではないが。

上海→南京間に乗車したのは、北京でサッカーアジアカップ決勝が行われた翌日だったので少し緊張があり疲れたが、普通のツアーではなかなか経験できない火車の旅ができた。

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© from Metal Woods, Aug. 2004