M−1とOM−1の違い



M−1とOM−1の違いについて

 

1.シャッター音
  M−1と極初期のOM−1はシャッター部品そのものがOM−1と違い、音も静かです。
  OM−1のシャッター部品はコストダウンされています。

2.裏蓋圧板のサイズが違います。
  OM−1と比べてM−1はやや小さいサイズです。

3.ガイドレールのピンの数がM−1は4本、OM−1は2本です。

   ← M−1のガイドレールです。

  OM−1は左側2本のみで右側のガイドピンはありません。
  そのため裏蓋圧板のサイズが右側に長くなっています。

4.通常、マウント部のネジがM−1はマイナス、OM−1はプラスです。
  稀にプラスネジのM−1も存在するようです。 発売と同時に購入したM−1(シリアル120xxx)
  のマウント部ネジがプラスであったという報告がありましたのでコメントします。

5.M−1はミラーボックス手前左側下にプラスのネジがあります。  (Thanks to ヒデボーさん)

   ← M−1のミラーボックス手前左側下部です。 

6.オリジナルのM−1には底蓋のMD用穴がありません。
  OM−1MD以降のOM−1はMD用の穴があります。

7.プリズム押えの金具が違います。
  M−1は4本のスプリングと金具でしっかりと固定されています。
  OM−1では板バネ付きの金具で固定されています。

     ← M1のプリズム   ← OM−1のプリズム

8.巻き上げレバーの噛み合わせ部分がM−1では硬い金属で補強されています。
  OM−1では固定されていないワッシャ−が入っているだけです。

         

   M−1の巻き上げレバー          OM−1の巻き上げレバー

9.M−1は巻き戻しクランクレバーのツマミを取付けているネジがマイナスです。
  OM−1前期型以降はプラスネジに変更されています。

     

        M−1         OM−1(前期型)      OM−1(後期型)

  M−1と前期型OM−1のクランクを結合しているマイナスネジ下の板は平らですが、これ以外の
  OM−1(N)、OM−2(N)では板の両サイドに傾斜がついています。
  M−1によっては巻き戻し軸とクランクを結合しているマイナスネジが二重丸状のものがあるよう
  です。

10.M−1とごく初期の前期型OM−1の露出計には「露出計オフおよび低照度自動警告スイッチ」
  が搭載されています。

  この説明はM−1の使用説明書に載っています。(P14)  以下は使用説明書の引用です。
  ■ OFFおよび低照度自動警告スイッチ
  「 露出計スイッチがOFFになっていたり、被写体が測光範囲外のときには、露出が決められませ
  ん。 そのときは露出計指針が指標の中央にこないよう自動的にスイッチの入る仕組みになっている
  からです。  スイッチがOFFの場合や暗すぎるときは、測光しても指針が中央に合わず、ピンと
  飛び越えてしまうことで警告してくれます。 ただしこの自動警告スイッチは水銀電池がないとき
  は働きません。」

  M−1とごく初期の前期型OM−1では露出計のところにスイッチが付いていてます。
  上記の説明のように露出計スイッチがオフの場合や暗すぎる時は、自動警告スイッチにより露出計
  メーターの針を約2EV+側に振らせる仕様となっているようです。

            

         M−1                  OM−1(前期型)

  露出計の窓からスイッチの接点見える        OM−1にはスイッチがない
    (2つあるうちの1つ)
  スイッチに接続している黄色の線がある

  英文マニュアルより「露出計オフおよび低照度自動警告スイッチ」の説明を下記に掲載しました。
  50mm F1.4やF1.8を使用した時、自動警告スイッチが入る絞り値とシャッタースピード
  の設定値などが判ります。

   「露出計オフおよび低照度自動警告スイッチ」

 
* 比較しているM−1と前期型OM−1のシリアルはM−1が「1336XX」、OM−1が「5119XX」です。
* 極初期の前期型OM−1にはシャッター部品やガイドレールのピンの数・裏蓋圧板のサイズなどが
  M−1と同じモデルが存在します。 少しずつコストダウン、改良が行われたようです。
* M−1にもいくつかのバリエーションがあるようです。
  巻き戻しクラッチの上に付いている赤印は通常丸ですが四角のM−1を見たことがあります。

 

OM−1のバリエーションについて

1.OM−1(前期型)
  モードラ非対応です。 OM−1MD発売後も並売されていました。
  極初期のOM−1はアイピースの構造が異なり接眼レンズが手前の方にあります。
  M−1及び前期型OM−1の吊環は三角ですが、それ以降のOM−1では丸になりました。

2.OM−1(前期型のモードラ改造版)
  前期型OM−1をモードラ対応としたもモデルです。
  ボトムカバーを交換してモードラ用電気接点が追加されています。

3.OM−1MD
  標準でモードラ対応となり名称にMDがつきました。
  OM−1MDはボディに「MD」のエンブレムが有ります。

4.OM−1(後期型)
  OM−1MDからMD名称を廃したモデルで、標準でモータードライブ対応となりました。
  名称以外に大きな変更点はありません。

5.OM−1N
  Tシリーズストロボのチャージ及び外光オートの適正発光確認ランプがファインダー内に内蔵され、
  データバックの直結接点がフィルム室内に追加されました。 
  巻き上げレバーの形状も変更され、着脱式アクセサリーシューが標準装備となりました。

 

M−1、OM−1の内部機構のローラーについて

 マウント内側の右上に見える直径3mmほどのローラーです。
 レンズの絞りリングに連動して上下に移動します。
 内部機構変更後は、このローラーが見えないようになりました。
 OM−1MDの発売後にこの変更が行われたようです。

   ← M−1のマウント部、ローラーが見える。マウント部のネジはマイナス。
 


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