魚河岸供養塔  妙行寺:東京都豊島区西巣鴨4-8

慰霊の対象:魚/創設業種:魚類流通



妙行寺は四谷怪談「お岩様」のお墓があることで有名。門を入ると魚がし供養塔、浄行様、うなぎ供養塔、納骨堂を右に本堂が正面に見える。整備がいきとどき清楚な雰囲気が漂う。高さ数メートルの魚がし供養塔には「何妙法蓮華経法界萬霊」の下に右から左に横書きに「魚がし」と大書されている。
碑の裏には「昭和十三年五月建之 施主 石黒為次郎/當山十九赤威猛院日勢(戒名、解読不正確部分あり)」と記され、魚がしの石座の裏には「妙行寺/出入 白石柏年刻」とある。
お寺さんの説明板によると「魚がしで犠牲になった生類の供養塔」とある。石黒氏個人で建立されたものであろう。


左:明治四十二年四谷より移転、お岩様の寺 長徳山 妙行寺。
右:猫が常夜灯の中で寝ていた。

撮影日:2003/9/14



うなぎ供養塔  妙行寺:東京都豊島区西巣鴨4-8

慰霊の対象:うなぎ/創設業種:料理店他




表は「慈眼視衆生/福聚海無量/施主/東京うなぎ蒲焼商組合/東京淡水魚組合/うなぎ供養塔/法華宗管長/妙行寺十九世/大僧正日勢」。 裏は「原型者 高村光雲先生/鋳造者 渡辺長男先生/昭和三十五年五月二十日建之/石○○」。


上の台座の後ろと、中段の台座の両横、後ろにびっしりと組合に加盟する店の名が記載されている。日本橋や上野の鰻蒲焼商組合に加えて、 浜名湖養魚漁協同組合、焼津鰻出荷組合などの字も見ることができる。

現在も真新しい卒塔婆が耐えない。「群霊」という表現は面白いと思った。また「犠牲」という表現もごく普通に使われていて、日本人の動物観が素直に表現されていると思う。養殖する人、調理する人のこのような感覚が、たまには食べる人にも感じてもらえるとよいのだが。

常夜灯で眠る猫の向きが来たときと変わっていた。

撮影日:2003/9/14