読書ノート (1997年1月)
自分の読書メモ代わりに書いていきます。平成9年1月スタート

激変激動の世界と日本
長谷川慶太郎 徳間書店 1,500円

1997年1月12日

 久しぶりに本を読み終えた。最近は本を買ってもツンドクだけのことが多く、 読んでいない本がだいぶたまってしまった。これからこのコーナーに読書日記として 読んだ本の感想などを書いていきたい。ある程度読まざるを得ないように、 自分を縛るためもある。
 長谷川さんの本は今までに5冊くらいは読んでいる。政治、経済の広範な分野にわたり、 明快な語り口で書いてあるのでわかりやすい。
 日本の改革にまず必要なこととして、92を数える特殊法人の解体・民営化をあげている。 これはその通りだと思って読んでいると、 『国の直営で特殊法人にはいっていない郵便貯金と簡易保険も同じく解体し、 民営化することが必要だ』とはっきりと書いてある。 自分自身のことに直接関係するので、はいそうですねと賛成するわけにはいかない。 郵政三事業を民営化すると、財政投融資も見直しをしないわけにいかない。 いわば日本の金融制度を抜本的に変える必要があるということだ。
総論賛成だが、各論で・・・。
自分に利害が及ぶとなると、だれしも。

父性の復権
林道義 中公新書 1996年5月25日発行 720円

1997年1月15日

 私には中学一年生の息子がいる。 一人っ子だ。 自分に似て、わりとおとなしい性格で、いじめられているのではないかと心配だ。 去年はいじめ関係の本を何冊か読んだ。いずれまた読み返したい。 今回取り上げた本は、書店の店頭で目に付き、一気に読んでしまった。
 最近は『友達のような父親』が多いらしいが、自分の場合はそうではないと思っている。 『友達のような父親』は上下の関係がなく、父親が提示する価値観がない。 子供は自分で価値観や生き方を探すことが期待されているが、 しかし初めからそのような力量を持っている場合はまれなので、 子供は暴力的になるか無気力な子供になることが多いという。

 父親は自分の価値観を持ち権威を持ってそれを子供に示すべきだという。 子供がそれに対し批判してぶつかってくる対象であるにせよ、 それとも目標として獲得したい対象であるにせよ、 父親は権威があるほうが望ましいようだ。 うちの子供は今のところ、不登校でもなく、家庭内暴力もない。 かといって、元気はつらつと学校生活を楽しんでいるようでもない。 自分なりの価値観を示していきたい。



実践グループウェア パソコンLANの仕事術
杉浦司 講談社ブルーバックス 1996年11月20日発行 740円

1997年1月18日

 現在パソコンは5台持っている。一台は中一の息子が使い、 二台は休眠中で、実際に自分が使っているのは仕事場と自宅で デスクトップを2台スタンドアロンで使っている。 さらに3月頃から四国の全郵便局にパソコンが配備され、 専用回線で接続される。 昨日はそれに向けてのパソコン研修会があったところだ。
 そのようなわけでパソコンのネットワーク化に関心があり、この本を読んでみた。 電子メール活用について、「電子メールが成功するためには、 人や部署の間のやりとりをすべて電子メールにすることが絶対に必要です。 それができないならば、様々な通信方法が乱立しないほうがいいのですから、 やらない方がましです」とある。その通りだと思う。 しかし、これが定着するためにはまだ数年かかるのではなかろうか。 すくなくとも我が郵便局グループの場合は。

 本書では、オフィスのパソコンと電子メールやデータベースを組み合わせ、 人と仕事を有機的に結びつける方法を、ロータスノーツやMicrosoft Exchange、 cc:mailなど、主要アプリケーションソフトを具体的に取り上げながら紹介している。
特にロータスノーツ に関する記述が多い。



人格改造マニュアル
The Manual of Personality Change
鶴見済 太田出版 1996年11月24日発行 1,200円

1997年1月19日 (日曜日)

 3年ほど前に評判になった『完全自殺マニュアル』の著者だ。 ベストセラーの上位にランクされており、 おもしろそうなのでブックサービスに注文した。 脳をいじめる手段として、「クスリ」「洗脳」「サイコセラピー」などを取り扱っており、 「これを読めばどう生きるかなんてことは、 それほどたいしたものでなくなる」とある。
 薬は大嫌いで、薬はほとんど飲んだことがないし、 覚醒剤を試したいとは思わない。しかし、著者が言っているように、 薬により心の苦痛を和らげている間に、 自力で回復する力がついてくる場合があるのかもしれない。 まあ自分はコーヒーかお茶でカフェインを摂るくらいにしたい。 あ、それとアルコールだ。自分は晩酌は欠かしたことがない。 ビールと日本酒をその日の体調によって2〜3合だ。

 どうも題名から想像していたのとは違っていたので面食らった。 薬で人格改造というのは思ってもいなかったのだ。 次の『洗脳』のような心理面からのものがメインだと思っていた。 これらについてはまだ読んでいる途中で、 いずれ日を改めて感想を書いてみたい。


1997年1月24日 (金曜日)

 次は「洗脳」だ。この部分は著者の研修セミナー参加体験談など、 かなり読み応えがあった。 オウム真理教のマインドコントロールや、統一協会、それにマルチまがい商法等、 この種の話は週刊誌などでも良く話題にされている。 実際、これは段階を踏んで、科学的に行うと自分も含め大部分の人が、 人格・性格も「私は○○だ」と自ら勝手に信じこんでしまうに違いない。 それほど強力なものだ。ただ、”洗脳”はそれを必要以上に恐れる必要はなく、 むしろ大切なのはそれを役立てることだというが、その通りだと思う。 そして、現実の会社の人事制度などに、既に数多く巧妙に取り入れられていることを感じた。




タバコがスッパリやめられる

L・Mレクロン著 佐藤守男訳  潮文社 昭和50年(1975年)11月20日発行 680円

1997年1月27日 (月曜日)

 現在はタバコは吸っていない。この本の通りにやって禁煙した。 前の「人間改造マニュアル」を読んでいて、思い出したのでざっと読み返してみた。 学生の頃からヘビースモーカーで、15年間余り毎日二箱は吸っていた。 それがどういう動機から始めたのか忘れたが、とにかくこの本の通りにやって、 それ以来、本当に一本も吸っていない。書き込みなどを見ると、 昭和55年1月とあるから、今から17年も前の話だ。

 一言で言えば、自己暗示によるものだ。 印を付けてあるところから2カ所だけ引用してみる。 『肯定的暗示は、否定的な暗示に比べてずっと強力な力を有していますから、 「しない」、「すべきでない」、「ではないだろう」というような言葉は避けねばなりません。 「もうこれ以上タバコをほしくない」というのは、否定的暗示であり、 「タバコをやめるのだ」というのは肯定的な暗示といえます』(p.123)  つまり今流行のプラス思考というところかな。 『暗示を最善に作動させるには、繰り返しが最も重要な法則となります。 あらゆる宣伝広告は、暗示の法則に基づいて、 意識よりはむしろ潜在意識の分野に影響を与えるように作られているものです。』(p.125) 安っぽいハウツー本かもしれないが、 実際に役立ったという意味では自分にとって貴重な一冊だ。


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