「ただいまー、ママ、図鑑、図鑑。」帰って来るや、昆虫図鑑に見入る７歳の長女。
「あ～、いたいた、◯◯◯シジミか。」と、こんな具合にこの夏、生き物への興味が
俄然湧いてきた。
暑かった、暑かった夏休み。でも、ギラギラの中でも子供達は外で遊びたい。
早朝など、多少涼しい頃を見つけて足繁く通って、見つける昆虫達。
絵具では出せないような美しい色使いの芋虫や、雪の粒かと思うほど、
小さな真っ白な蛾。私もこの歳になって初めて、そんな自然の美しさに日々
感激していた。 
我が家の植木を住まいとして
いるオンブバッタも今年で３
代目。この夏もかわいいミニ
チュアバッタが、いっぱい産
まれていた。日に日に大きく
なっていく彼ら。
そしてこの頃では、すっかり
大人になり、ペアーでおんぶ
している姿を見て、
子供達もいとおしく感じたようだ。
”太郎”や”五郎”と名付けては観察
している。バッタ用プランターは土を掘り返すことも出来ず、子供達は勝手に種を蒔いて
ゆくので、ジャングル状態なのだが、それもまた楽しい。
先日、うっかり落とした、オシロイバナの種。あっという間に大きくなり、今花盛りだ。
夏休みの旅行で捕まえてきた、
おたまじゃくしは見事カエルになり
”もも”というかわいい名前をもらって
今、我が家の１番人気だ。
足が生えて、前足が出て、しっぽが
短くなって、、、。顔つきも小さいなが
らカエルらしくなっていく姿は感動も
のだ。
お友達がアカハライモリを川で捕まえて来て
くれた時は、そのグロテスクな姿に少々とまどい、また、東京にこんなものがいたのかと、
驚いた。しかし、今ではこの２匹の”イモイモ”と”モイモイ”もすっかり慣れ（お互いに）
玄関に人の気配があると必ず、水槽に張り付いてのぞいている愛嬌者だ。
あの短い足で、ニョロニョロ歩く姿はまるで恐竜のミニチュア。なんとも可愛い。
先日イナゴの入った虫かごに見慣れない芋虫発見。「わー、イナゴが赤ちゃん
産んだー。」と大はしゃぎの娘達。しかし、何か変、、、サイズ的にも
おかしいのでは、、と、思いながらも、色はほとんど同じだし、、と無知な私。
「すごい！！」と子供と一緒になって「パパ、見てー。」と飛んでいった。
すると絶句の主人。「あのねーイナゴは芋虫は産まないでしょう。」ときた。
考えてみれば、バッタはバッタで産まれるのだから、イナゴもイナゴのはず。
「えーじゃ、これ、なに？？」と今度は少々怖くなった私達。なぜ虫かごに謎の
芋虫が、、、？「不思議だ。」「魔法なのでは、、。」「やっぱりイナゴがあやしい。」
と、会議中の私達。横目であきれ顔の主人が、
「餌の葉っぱに付いてたんでしょう。」と、一言。謎が解けたアオムシくん。
３日後には繭の中。そして数日後、虫かごの中に見慣れない蛾が、、。
あの美しかった緑色からは想像もつかないようなダークカラーではあったが、
生命の不思議を目の当たりにして、「良く見るときれいだよ。」
「ちゃんと飛べるようになるかな～？」と、心配そうに見守っていた。
カエルも今では７匹となり、夜な夜なケロケロ、クワークワーと大合唱している。
同じアマガエルでも７匹いれば性格
も体格も様々。食いしん坊や恐がり、
やんちゃのもいる。観察していると色
々なことか見えてくる。
しかし、、飽きるのも早いのが子供。
今では、イモリなど見向きもしない。
気がついたら私１人、モクモクと世話
をしている。
「もー、結局ママが全部面倒見ることになる
んでしょう。」と、ブツブツ言いながらも
我ながら楽しそう。
１人外出する時も「行って来るね～」なんて声を掛けている自分の声に苦笑する。
かわいい生き物達は、この夏の子供達からのプレゼントだったのかもしれない。
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