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                       VOL.30
  2002.2.16.              前号までは ここ をくりっくしてください
       
 
「今話していた人、誰?」と娘達に良く質問される私。たいがい答えは、

「うーん、知らないおばさん」だ。 「えーまた知らない人とお話していたの?」と、あきれ顔の娘達。

30分の長話、なんて事も茶飯事だ。勿論、私も立派なおばさんなのだが、

50〜60歳代のパワー溢れるおばさんとなにかと縁がある私。

現在3歳の次女Lは最近まで毎日昼寝をしていた。人一倍“かん”が強く、昼寝でも夜泣き

状態になりこともしばしば、、、。友人のマンションにおじゃました時、遊び疲れてうとうと眠ってしまった。

しばらくするとギャーッとものすごい叫び声とともに泣き出した。

こうなると目が覚めるまで泣き止まない。仕方なくマンションのエントランスでだっこしてウロウロゆすって

歩いていた。こんな事、いつまで続くのー?と、暗い気持ちで、、、。

すると背後から「大変ねー、具合でも悪いの?」と聞き慣れない声。振り向くと見知らぬおばさんが

立っていた。「お昼寝してたら夜泣きみたいに泣き出しちゃって、、いつもなんですけど、、、。」と私。 

「あら、よっぽど「かん」が強いんだわ、今いくつ?」
と、親身に

なって聞いてくるおばさんはそれから心強いアドバイスをいろいろとしてくれた。

「大丈夫よ、疳が強い子は頭の回りが早いって言うから、今にしっかり者になるわよ。

うち、そこの突き当たり108号室だから、また心配事が出来たらいつでもいらっしゃい。」

と、手を振って帰っていったおばさん。私も部屋へ戻り、友人にその話をすると、

「108号室の人?う〜ん、知らないな〜。」とのこと。住人が知らないのに、なぜ私が、

長々と話し込んでいるのか、、?しかし、おばさんの話はその後しばらく、私を元気にしてぺちゃくちゃ、、、、くれた。

現在6歳の長女E、おっとりしていて

小さい頃から心配が絶えなかった。

いつまでも歩かなかった彼女、1歳半の時、

とうとう保健所からのお呼びがかかった。

「どうして歩かないのかね〜、

ハイハイもしないの? 他に何かおかしいとこ

ろない?」
と、無遠慮な質問責めに

すっかり傷ついた私。

何せ母親1年生の頃の話、

頭をハンマーで殴られたようなショック状態でフラフラと、、気が付いたら図書館に来ていた。

よっぽど暗い顔をしていたのか、「どうしたの?ため息ばかりついちゃって、、。」と、

いきなりの声。びっくりして振り返ると図書館の受付のおばさんが、ニコニコ立っていた。

そのニコニコになんとなく救われた私

「この子、1歳半なのにまだ歩けなくて、、、今、保健所でいろいろ言われて来たんです」と、うち明けた。

すると「な〜んだ、そんな事、うちの姪は2歳で初めて歩いたのよ。」と、おばさん。

図書館が空いていたことも幸いして、長話。別れ際に「いい?歩けないじゃなくて、歩かないのよ、

そのうちこの子がその気になったら歩き出すから心配ないよ。」
と、勇気づけてくれた。

単純な私、帰りは魔法にかかったように元気な足取りだった。

すさまじいおばさんパワーである。

しかし、時としてこのパワーも行き過ぎることもある。

先日、買い物をしていたら何やら人だかりが、、。

のぞいて見ると”サイコロステーキ袋つめ放題500円”とある。

安い、と思ったが、あの人混み、、、無理だなと諦めた。

しかしレジに並んでから、「やっぱり、もう一度見に行こう。」と、カゴをレジの脇に置いて見に行った。

今度は空いている。いそいで袋詰めしていると、背後から、「それ、おいしいの?500円は安いよね。」

との声。振り返ると見知らぬおばさん。「どうやって食べるの?」「冷凍できるの?」

いろいろ聞いてくる。そのうち肉が少なくなってきた。「これだけで良いかー」と、

つぶやいた私の声に、「まだ、裏にあるわよ、きっと、店の人に聞いてきてあげるわよ。」と、

従業員通路へ入って行くおばさん。

しばらくするとボールいっぱいの肉をかかえた店員を連れて、得意げに戻ってきた。

「ほら、どんどん入れないと、、、ささえといてあげるわよ。」という声に振り返ると、

おばさんは2人に増えている。そのうち「あなた、カゴは?」と、おばさん1号。

「レジの脇に置いてきちゃったんです。」と私が言うと、

「カゴ持ってきなさいよ、私達で入れておいてあげるから。」と、おばさん2号。  

「それじゃ、お言葉に甘えて、、。」と、そそくさとカゴを取りに行く私。戻って見ると、

おばさんはなんと3人に増えている。みんな同じようで、もうどれが1号だか2号だか分からない。

肉は表面張力?で、溢れんばかりに、It`s OBASANmagic詰められカゴにそ〜っと入れて

「いいわね、もう大丈夫ね、私達、行くわよ。」

と、なぜかせっぱ詰まっているおばさん達。

「ありがとうございます、あの、もし

良かったら、後で少しお分けしましょうか?」


と私が聞くと、

「いいの、いいの、うちお肉食べないから。」

と、良く分からないおばさんである。

冷凍室に暫くあったサイコロステーキ、

食卓に並ぶたび、「おばさんがね、1人だったのに2人になって、それから3人になってね、、、」と、

まるで魔女にでも出会ったような話しぶりのL。しかし私にとって、おばさんは元気をくれる魔法使い。

私も周りの人にパワーを振りまく、そんなおばさんになりたいものである。
    
                              イラスト      
並木
    “いいことちゃん”10
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                              イラスト   

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