1956年昭和31年
懸案の日ソ交渉で、首相(鳩山)が訪ソし折衝を重ね、国交を回復することができた。
好調な日本経済は、「神武景気」を生みだした。
1.23 第34回芥川賞に一橋大生・石原慎太郎の「太陽の季節」。
石原裕次郎主演で映画化され、太陽族ブーム起きる。
1.26 第7回冬季五輪がイタリアのコルチナで開催。
猪谷千春がスキー回転で日本初の銀メダル入賞。
2.19 新潮社が「週刊新潮」創刊。週刊誌ブーム起きる。
3.10 運輸省航空局、羽田、伊丹等4空港の航空管制権を米空軍から引き継ぐ。
3.27 八海事件を映画化した今井正監督の「真昼の暗黒」封切り。
7月、チェコ国際映画祭で入賞。
4.21 新日本窒素水俣工場付属病院に異状中枢神経患者の女児入院。水俣病の正式発見。
5. 3 第1回世界柔道選手権が蔵前国技館で開かれ、夏井昇吉六段が優勝。
5. 9 槇有恒隊長の日本登山隊がマナスル(8125m)初登頂。
5.24 売春防止法公布。
6.13 英軍が74年ぶりにスエズ運河基地から撤退。
6.25 箏曲奏者・宮城道雄、列車から転落死(62歳)。
7. 1 中央気象台、気象庁として発足。
7.17 経済白書を発表。(技術革新による発展を強調、“もはや戦後ではない”)。
9.11 ヒロシマ原爆病院開院。
10. 7 鳩山首相がモスクワへ。
19日、日ソ国交回復共同宣言・通商航海議定書に調印。
10.28 大阪・新世界の通天閣再建完成。
11. 8 南極予備観測隊が観測船「宗谷」で東京港を出発。
11.16 大阪梅田コマスタジアム開場。12/8新宿コマスタジアム開場。
11.19 東海道本線が全線電化完成。
11.22 第16回五輪、メルボルンで開催。日本選手118人が参加。
体操の小野、200m平泳ぎの古川勝、レスリングの笹原正三ら4種目に優勝。
12. 2 カストロらキューバ革命派82人、メキシコからキューバに上陸。
12.18 国連総会が日本の国連加盟を可決。
12.28 ソ連からの最後の集団帰国者1025人を乗せて興安丸が舞鶴に入港。
*五味川純平「人間の条件」 三島由紀夫「金閣寺」
谷崎潤一郎「鍵」 深沢七郎「楢山節考」
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1957年昭和32年
この年、岸信介内閣になって、自衛隊増強、憲法調査会設置等、いうところの「逆コース」
政策になっていった。ソ連の大陸弾道弾ミサイル、人工衛星(第1号)成功・・・米ソの核軍拡、
宇宙開発競争が激化した。
1.16 対米綿製品輸出自主規制措置発表。
1.18 植物分類学者、牧野富太郎死去(94歳)。
1.30 群馬県相馬ケ原演習場で米兵(ジェラード)が薬莢拾いの日本女性を射殺。
2. 8 日本、ポーランドとの国交回復協定に調印。
2.13 チェコスロバキアと国交回復協定に調印。
3. 7 ストックホルムで第24回世界卓球選手権開幕。
日本、5種目制覇。
3.13 最高裁でチャタレイ裁判上告棄却。訳者・出版社の有罪確定。
5. 4 ダークダックス結成初演奏会。
5. 7 岸首相が参議院内閣委員会で自衛権の範囲内なら核兵器保有も可能と答弁。
6.19 政府、国際収支改善緊急対策を発表。
緊縮政策へ(神武景気からナベ底不況へ)
7. 6 幸田露伴の「五重塔」のモデルとされた東京・谷中の天王寺の五重塔が放火心中により全焼。
7.11 米最高裁がジェラード事件の裁判権は日本にと裁定。
11/19、懲役3年執行猶予4年の判決(前橋地裁)。
8.26 ソ連、ICBM(大陸弾道弾ミサイル)の実験成功を発表。
8.27 茨城県東海村の原子力研究所で、米国型原子炉に「原子の火」ともる。
9.16 第4回サンパウロ・ビエンナーレ国際美術展で浜口陽三が最優賞。
9.19 米国がネバダ州ラスベガスで初の原爆地下実験。
9.20 糸川英夫東大教授らが秋田県の海岸で国産ロケット1号機(カッパーC型)発射に成功。
10. 1 日本が国連安保理非常任理事国に。
10. 4 ソ連、人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功。
12.11 100円硬貨発行。
12.24 NHKがFM放送開始。
*井上靖「氷壁」 大江健三郎「死者の奢り」
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1958年昭和33年
岸内閣の施策は、他陣営との間に多くの摩擦を生んだ。教員の勤務評定実施をめぐって、
日教組の反対闘争が全国的に展開された。また、日米安保条約改定交渉を開始。
一方、日中関係では、貿易関係も途絶するなど、最悪状態になっていた。
1. 1 欧州経済共同市場(ECC)発足。
1.13 世界の著名科学者の44カ国9236人が国連に核実験停止請願書提出。
1.20 日本・インドネシア平和条約・賠償協定調印。
1.31 米、人工衛星エクスプローラー1号打ち上げ成功。
2.24 第2次南極観測隊は氷海に阻まれ昭和基地に接岸断念。15頭の樺太犬置き去りに。
3. 9 関門国道トンネル開通(3.461km)。
3.31 ソ連、核実験一方的中止言明。
4. 1 売春防止法施行。
5.16 テレビ受信契約数が100万突破。
5.24 第3回アジア大会が東京・国立競技場を中心に開催。
5.28 長崎原爆病院開院。
7. 6 大相撲が6本場所制となって初の名古屋場所初日。
8. 1 日本ビクターが国産初のステレオ・レコードを発売。
8.22 米英が条件つきで10月31日以降核実験の1年停止を発表。
8.25 日清食品が「即席チキンラーメン」を発売。
9.30 ソ連、核実験を再開。
10. 9 岸首相、米記者(NBC放送)に「憲法9条廃止の時」と発言。
長島茂雄(巨人軍)が新人王獲得。
12. 1 1万円札発行。
12.23 東京タワー完工式(333m)。
12.27 国民健康保険法改正(国民皆保険)。
*山本周五郎「樅の木は残った」
松本清張「点と線」
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1959年昭和34年
岸内閣が進める日米安保条約改定の進捗につれて、安保反対闘争が活発になっていった。
ソ連では、フルシチョフ時代を迎え、平和共存路線を推進。東西間の緊張緩和をもたらした。
キューバではカストロの革命政権が誕生した。
1. 1 メートル法施行。
1. 1 カストロのキューバ革命なる。2/16、カストロ、首相に就任。
1.14 第3次南極観測隊、1年間昭和基地に放置された樺太犬15匹のうち、
2匹(タロー、ジロー)の生存を確認。
3.28 千鳥ガ淵戦没者墓苑完成。
4. 5 第25回世界卓球選手権で7種目のうち6種目に優勝。
4.10 皇太子明仁・正田美智子結婚。
5.26 国際オリンピック委員会(IOC)総会で64年の第18回五輪大会の開催地を東京に決定。
6. 3 シンガポールが独立。
6.10 松方幸次郎のコレクションを収蔵した国立西洋美術館が東京・上野に開館。
6.15 厚生省が集団発生の小児まひを指定伝染病に指定。
7.12 田中聡子が200m背泳に2分37秒1の世界新記録。
7.24 ミスユニバースにアジアで初めて児島明子が。
7.26 山中毅、400m自由形に4分16秒6の世界新記録。
9.12 大蔵省がドル為替の自由化を実施。
9.12 小沢征爾がブザンソン国際指揮者コンクールで1位入賞。
10.21 通産省、新日本窒素に対し水俣川への排水中止、浄化装置完備を指示。
11. 2 水俣病の原因が工場汚水とわかり漁民1500人が新日本窒素水俣工場に乱入。
12. 3 東京陸運局が個人タクシーを初めて173人に認可。
*大江健三郎「われらの時代」 菊田一夫「がめいつい奴」
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1960年昭和35年
政府与党は新日米安保条約を単独強行議決。反対運動は極限に、このため岸内閣は総辞職。
代わった池田内閣は「高度成長・所得倍増」をスローガンにした。
浅沼稲次郎・社会党委員長、右翼少年に刺殺される。
ソ連領空で米国のU2型偵察機が撃墜されて、「平和共存」が暗転に。
1.19 新日米安保条約・行政協定、ワシントンで調印。
2.13 フランスがサハラ砂漠で初の原爆実験。(4番目の核保有国)
4.30 ソニー、世界初のトランジスタテレビ発売。
5. 1 ソ連領空で米偵察機U2型機撃墜。
5.15 ソ連、人口衛星船第1号の打ち上げに成功。
5.26 安保改定阻止第16次全国統一行動、空前のデモ隊(17万人)が国会議事堂を包囲。
5.28 グアム島で16年間過ごした日本兵2人が帰国。
6.15 安保改定阻止実力行使、580万人参加。全学連デモ隊、国会構内に突入、警官隊と乱闘。
東大生・樺美智子死亡。
6.17 東京の7新聞社が「暴力を排し議会主義を守れ」の共同宣言。
6.19 33万人の国会包囲デモの中、新安保条約自然成立。
8.11 テレビ受信契約が500万突破。
8.16 ソ連、人口衛星船第2号に犬2頭を乗せて打ち上げ成功。
8.25 第17回五輪大会、ローマで開会。体操で団体と個人が優勝。
9.10 石油輸出国第1回会議開催(バグダッド)。14日、石油輸出機構(OPEC)発足。
11のテレビ局がカラー本放送開始。
10. 1 第9回国勢調査(総人口9341万8501人、東京都は1000万人突破)。
10.12 浅沼稲次郎・社会党委員長(61歳)、日比谷公会堂で演説中、右翼少年(17歳)に
刺殺される。11/2、少年は獄中で自殺。
11. 8 米大統領選、民主党のケネディ勝利。
12.14 国連総会でアジア・アフリカ43カ国提出の植民地独立宣言案を採択。
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