岩井俊二監督作品『四月物語』に出演した、石井竜也をチェック。映画の大筋は、
松たか子演ずる主人公楡野卯月(にれのうづき)が、北海道旭川から東京の大学へ進
学し、新生活を始めるというストーリー。特にドラマチックな展開があるワケでもな
いけれど、リリカルって感じの映画です。
我らが、石井竜也の登場するのは主人公が見ている映画の中。ガラガラの映画館で主人公がチカン
にあいそうになったりするのだがそれはおいといて・・・(おいといていいんか?)。映画のタイトル
は「生きていた信長」。木下籐吉郎に追い落とされ、家臣の斉藤某(伊武雅刀)とともに落ち延びて
きた明智光秀(石井竜也)が、とある山の中で「もはやこれまでか」とあきらめかけているところに、
本能寺の変で死んだはずの織田信長(江口洋介)がやってくる。死んだのはじつは光秀が新しい世の中を
託すつもりだった松平(徳川)家康だった。信長は「安土桃山時代が終わり家康による江戸時代が
やってくる。オレが天下を取るためには家康になるしかなかった」と言う。そして、信長によって
2人は斬られてしまうのであった。といった内容。
共演者も濃いが、石井自身もほかの2人に負けていない。今回初めてわかったのは、彼がホントーに
「濃ゆい」キャラをしているということ。普段ほかの俳優さんと比べることないからね。ホント時代劇
特有のおおげさな芝居がもー似合うことにあうこと。信長に追われてひぃひぃ言いながら逃げまどう
シーンが秀逸。こーゆーなさけない芝居が似合うのは彼をおいてほかにない!、、、、よなー。
ほんと、キャスティングばっちり。岩井さんキャラクターよくわかってるわぁ。
古い映画という設定らしく、モノクロで画面に雨をふらせたり、切れたフィルムをつなぎあわせたかの
ような画面が「がくっ」っとなるような処理がされているので、みてた人の中には本当に古い作品だと
勘違いした人もいるかも。(画面も暗くてコントラストが強いので、だれだかわかりにくかったかも
しれない)。殺陣のシーンのバックに流れる「ちゃんちゃか」いう音楽もまた、バンツマ(坂東妻三郎
の略>ふ、古すぎる)やアラカン(嵐勘十郎の略>はて?筆者はいくつであろう?)あたりの平手神酒
(ひらてみき、と読む)とかあんな感じ(どんなんや?)でふっる〜い感じなんよね。
この映画、全編見たくなってしまったのは私だけ? どうもB級SF映画になりそうな感じがするんだ
けどなー。信長が未来の歴史展開を知っているあたりがタイムスリップしてきた未来人か? 宇宙人
かなんかからレクチャーされたか・・・岩井監督、コンプリート版つくってくれないかなー?
(>ムリムリ)
そうそう、家来が斬られて逃げまどう光秀が、ついに意を決して切りかかろうとするが、彼の横には
木が・・・刀を木にめり込ませてしまい斬られてしまう、というあたりの「光秀バストアップ」→
「刀アップ」→「顔アップ」という一連3カット、どこかで見たような気がするのですが、原典を
ご存じの方どなたかいらっしゃいますでしょうか? それは、さておき最後のオマケとは、この映画の
パンフレット。映画代より高い、¥2,100- 也の超コリコリパンフから、4コマ「生きてきた信長」から
雰囲気を察してネ。