4-11-4.十勝海岸


湧洞沼・晩成温泉

この付近は十勝の中で最も人の手が入っていない場所のひとつです。 山の中ならいざしらず、こんな丘陵や海岸地帯がそのまま残っているのが北海道のすばらしい所ではないでしょうか。 実際ナウマン国道をはしっても人家はほとんどなく行き交う車も数少ない。 特に夕刻ですとものすごい寂しさを感じてしまうことでしょう。 ここから急に広尾の町に出たりすると大都会に来た気持ちになります。

当然のことながら公共交通機関はほとんど存在しません。 そのためレンタカー等を利用しない場合はせきれい館に泊り、この周辺を歩いたりするのがいいのではないでしょうか。

■湧洞沼

十勝海岸の数ある沼の中で最も大きいのがこの沼です。 ナウマン国道からの道路は湿原の中をひたはしり快適です。 その途中には幾つかの橋があるのですが花の名前が付いていてその花の色が欄干に塗ってあるのがおもしろい。

■湧洞大観望

湧洞沼を眺めるのには幾つかの方法があります。 その最も簡単なのは湖岸に立ってみることです。 沼の広さを実感できます。 また野鳥の観察にもいいのではないでしょうか。

次の方法はすぐ脇にある展望台に上ってみることです。 雄大に広がるという感じではありませんが沼を俯瞰した風景が楽しめます。

最後に最も楽しめるのはその展望台からさらにその奥に見える高台からの風景です。 かなり侵食の進んだ海沿いの丘をひた歩くとそこに到達します。 湧洞沼全体を眺められればいいのですが残念ながら北側の一部が隠れてしまっています。

こんな高台紹介した本もないだろうしと思って湧洞大観望と名づけたのですが紹介してる本をみつけてしまいました。 でも一応、湧洞大観望ということにしておきます。

■晩成温泉

十勝の漠々とした海岸を望みながら入ることができる温泉です。 施設自体は小さいのですが一通りのものがそろっていて快適です。 温泉の色が独特でとてもよく暖まります。外に出る場所があるのですがそこには椅子が置かれているだけで露天風呂のたぐいはありません。 なおかつ海岸から丸見えなのもちょっとはずかしい。宿泊施設「原生花園」が温泉施設前にあり格安で泊まれます。

(日帰り入浴350円、10:00〜22:00、第2、第4火曜定休)



浦幌・昆布刈石海岸

■昆布刈石展望台

丘陵地の上をはしるダートにわずかの広くなった場所、そこに看板がひとつあり展望地であること示しています。北を見ると丘陵は落ち込み下るダートとそのかなたに厚内トンネル。そして東、南を見ると広大な太平洋を見下ろすことができます。ダートと海岸線の取り合わせは昭和30年代を彷彿させますが平行して舗装道路の整備が進みこの風景を見ることができるのもあと数年かもしれません。私が初訪問した平成9年にはすでに舗装道路の整備が南からはじまっていましたが供用は開始されてはいませんでした。その時、厚内トンネルの北側では交通量調査をやっていたのですが工事のための事前調査の委託の一環だったのかもしれません。

■黄金の滝

台地から海岸まで落ちる滝で、台地の岩盤が滝の水に浸食されていて水路のような形状を形づくっています。道から途中まで降りることができ覗き込むように眺めることができます。若干南よりの場所にパラグライダーの基地もあります。

■十勝太展望台

十勝川河口に程近い場所にある展望台。雄大な展望が楽しめます。

■留真温泉

休業中。復活の見込みは薄いと思われます。

十勝支庁と釧路支庁にまたがる広大な森林地帯の中にぽつんと取り残されたかの様にある一軒宿。かつては炭鉱が近くにあったため賑わったと思われます。昭和40年初頭に建てられた建物がそのまま使われているため決してきれいなわけではありませんが透明ながらもほんのりと硫黄臭のするつるつるの泉質は貴重な存在で訪問の価値があります。露天風呂付きの浴室と露天風呂なしの浴室があり露天風呂は月火木土は男性専用、水金日は女性専用。私は残念ながら露天は未体験。道東スーパー林道の西側の入口。

(日帰り入浴400円、11:00〜21:30、無休)

■浦幌炭鉱

白糠炭田の一角にある小さな炭鉱群のひとつ。昭和20年代末には閉山したのですが今でも炭鉱住宅などが道路脇に残っています。案内図も途中にあり案内板もあるためかつての情景を想像することが比較的容易です。



北海道旅情報巻頭  4-11.十勝・東大雪
4-11-4.十勝海岸