4-15-1.知床西海岸


知床西海岸

知床は道東を代表する観光地です。昭和40年代には歌謡曲知床旅情が流行し、秘境知床にたくさんの人が押し寄せ、西海岸を中心に観光開発が急速に進み、ウトロには大規模なホテルが林立しています。その後一旦は低迷期を迎えますが平成17年に世界遺産に指定され、再び北海道で最も注目される訪問場所になりました。しかしながら実際のところ知床の観光地は知床の自然のほんの一部であり、通り一遍の観光ではなかなか知床を知ることができません。かつて行けた場所も個人では立入が非常に厳しくなりました。最近ではシーカヤック、ネイチャーガイドが同行するツアーなど様々な自然体験メニューを実施している宿や施設が増えてきたのでそれらに参加することが知床を楽しむ秘訣だと思います。

一般的な観光ルートは知床自然センター、知床五湖、オシンコシンの滝をさらりとまわりウトロに宿泊するものです。加えてウトロから観光船に乗る場合もあります。レンタカーもしくはバスでも半日もしくは一日あれば知床の西海岸の名所はほぼ周ることができます。

宿泊地としてはウトロに知床プリンスホテル風なみ季、知床第一ホテルなどホテルが多数林立し民宿、旅人宿もあります。さらに奥地には岩尾別に岩尾別YH、岩尾別温泉にホテル地の涯があります。。

知床自然センター-知床峠-羅臼間の知床横断道路は例年GW頃〜11月初旬のみ通行が可能ですがその年の雪の量により開通時期は前後します。また開通直後は夕方〜夜間通行止めと時間設定も厳しいものがあるので注意しましょう。

■知床シャトルバス

知床五湖-知床大橋のダートの区間は現在一般車は通年通行止めで夏期のみ(例年7月13日頃〜9月20日)、「ウトロ-知床自然センター-知床五湖-カムイワッカ湯の滝」のルートでシャトルバスが運行されます。乗り換え拠点として知床自然センターから800m程知床五湖寄りに専用駐車場があり、ここからバスで目的地へ向かうことになります。知床五湖までは一般車も通行可能ですが駐車場の収容台数が少ないためハイシーズンにはシャトルバスの利用をお薦めします。カムイワッカ湯の滝-知床大橋間は完全に通行止で、それに伴い硫黄山登山口-硫黄山の登山道も通行止めになっています。知床自然センター-知床五湖往復860円、知床自然センター-カムイワッカ湯の滝往復1180円、ウトロ-カムイワッカ湯の滝往復1800円。シャトルバス利用の場合知床五湖での途中下車も可能。

(交通:斜里-バス[55分]-ウトロ温泉-バス[10分]-知床自然センター-バス[4分]-岩尾別-バス[9分]-知床五湖-バス[28分]-カムイワッカ湯の滝)



ウトロ周辺

ウトロは市街が大別して台地の上と下に分かれます。台地下には土産物店が軒を連ね中心街には知床グランドホテル北こぶしと平成19年3月に開業したノーブルホテルがあり、若干離れた知床自然センター寄りに季風クラブ知床があります。民宿も市街地の中に点在します。台地上には大型ホテルの知床第一ホテル、ホテル知床、知床プリンスホテル風なみ季や夕陽のあたる家、そして若干の旅館民宿とキャンプ場、日帰り温泉があります。冬のオーロラファンタジーはオロンコ岩のトンネルを越えた先の駐車場にて開催。

■オシンコシンの滝

斜里からウトロへ行く途中にある日本の滝100選にも選ばれた滝で山肌を落ちていく水流の飛沫が美しい。 以前は路線バスは滝の上の旧道を通りましたが今は国道を通過します。駐車場から滝の直下まで歩いていくことができる。売店もあり。

■オロンコ岩

ウトロの港の脇に大きな岩塊がありにその上まで登ることができます。ちょっと見た感じでは上に行けること自体が驚きで、上の展望台からはオホーツク海とウトロ港を眼下に見下ろすことができます。冬に登ることは現在は禁止されている模様。

■知床観光船

二つの航路があり硫黄山航路は1日4〜5本運行され乙女の涙、男の泪を経由しカムイワッカの滝まで行き1時間半を要します。知床岬航路は午前10時発の1便のみで知床岬まで3時間45分を要します 。冬期は流氷砕氷船としても使われる大型船で安定感がありますが岸からは遠い位置を航行します。

(運賃:硫黄山航路2700円、知床岬航路6000円、特別席は追加料金当日受付)

■ネイチャーウォッチングボート・クルーザー観光船

7月〜8月の間ボンズホームがネイチャーウォッチングボートを知床岬まで出しています。 観光船とは違い往路または復路では岸の近くを通り野生動物、野鳥などを観察しながらの道中となります。ヒグマ、イルカなどもかなりの高確率で目撃が可能。船が小さいため観光船よりは揺れがひどく船酔いをする人は要注意。所要時間は5時間程度。

またゴジラ岩観光では小型のクルーザー観光船を運行していて同じ様な形で風景を楽しめます。硫黄山折り返しは4月〜10月運行、知床岬折り返しは夏のシーズン運行。早朝クルージングや夕方運行するヒグマウォッチングもあり。

■夕陽台の湯

国設野営場の脇にある夏季のみ営業の日帰り温泉。露天もあり旅の途中の立ち寄りにはウトロで最も便利です。茶色のナトリウム泉。

(日帰り入浴:500円14時〜20時,6月〜10月)



知床自然センター・フレペの滝(乙女の涙)

■知床自然センター

知床横断道路の分岐点に位置する施設で知床五湖、カムイワッカ湯の滝方面へのシャトルバスの乗り換え拠点。施設にはレストランや知床の自然を映像で知るための有料のダイナビジョンがあります。知床の最新情報が掲示されていて熊出没の有無や立入禁止箇所などがわかるようになっています。 ガイドツアーや冬期は歩くスキーの貸し出しなども行っています。クロカンのコースはフレペの滝へ向かうものや南側の旧開拓地をめぐるものなどがあります。

■フレペの滝(乙女の涙)

山の中から地中を流れてきた水が海岸の崖の上で湧き出し滝になっています。 その美しさはすばらしいものがあります。 対比して穴場として有名だった男の泪は現在立入禁止ですのでここをその分こちらを満喫しましょう。 観光客はとても多いのですがふと人がいなくなる時がありますので展望台でゆっくり眺めるのが楽しむコツです。 言い古された言葉ですが午後2時頃に虹が出ます。 それが「にじのにじ」。 また冬場の氷りついた涙も必見です。

■プユニ岬

ウトロ市街から海岸沿いの道を上り詰めた地点。ウトロ方面の展望が広がります。


■ポンホロ沼

雪解けの時期にしか姿を現さない幻の沼。ガイドツアーで行く機会に恵まれると幸せ。



知床五湖・岩尾別温泉

■知床五湖

知床五湖は知床を代表する自然景観の美しさを誇る場所で湖越しに見る知床の山々の美しさは格別です。五つの湖のうち一湖、二湖、三湖は開放感のある大きい湖、四湖、五湖は森の中にひっそり佇む湖と湖それぞれに味わいがあります。知床連峰を望むのは特に二湖からがお薦めです。

この地域は熊出没の多い場所で三湖〜五湖の歩道は6,7月は常時通行止め、それ以外の季節も通行止めとなっている場合がほとんどです。一湖、二湖を周るのが通常のスタイルとなっています。さらに熊が実際に出没した場合、一湖、二湖方面も立ち入りが規制され電気柵が設置された高架歩道から新展望台までのルートのみが開放されます。

駐車場は普通車1回410円、7:00-18:30のみ開放されます。ハイシーズンには駐車場が満車となり慢性的に渋滞する場合があり、その場合はウトロ、知床自然センターからシャトルバスを利用するのが良いでしょう。

■岩尾別温泉

岩尾別温泉は羅臼岳の麓にある温泉です。 ホテル地の涯の露天風呂と駐車場下の無料野天風呂の二つがあります。

ホテル地の涯の露天風呂は男女別でそれぞれ露天風呂も完備。食塩泉。

駐車場下の野天風呂は三段の湯と呼ばれ階段状に小さな湯船が並んでいます。 また奥には滝見の湯と呼ばれる小さな野天風呂もあります。滝見の 湯のみ冬季も入浴が可能です。

また山小屋の木下小屋には露天風呂が三つあり、そのうち一つが囲いがあり女性専用。

(日帰り入浴ホテル地の涯:500円、11:30-15:00、木下小屋:200円10:00-18:00)

(交通:ウトロ-岩尾別-バス[7分]-岩尾別温泉)



カムイワッカ湯の滝

■カムイワッカ湯の滝

昔は秘湯と呼ばれたカムイワッカ湯の滝も今は混雑する観光地となっています。知床が世界遺産に指定された後、林道から100m程行った一の滝までのみが立入が許され、その奥の二の滝から四の滝までは行くことができなくなりました。そのため湯温の高い湯壺にて入浴はできなくなり、一の滝のぬるい温度の湯壺にたくさんの人が群がる現状ではあえてここまで行く必要はないのかもしれないと感じます。知床五湖-カムイワッカ湯の滝は通年通行止、夏期のみ運行のシャトルバスでのみ訪問することが可能。知床五湖-カムイワッカ湯の滝間は徒歩の通行も許可されていません。

■硫黄採掘地跡

カムイワッカから硫黄山に至る登山道の途中、登って尾根に出たところに硫黄採掘地跡があります。 過去にあった施設の基礎等が残り、ここからはの展望もなかなかのもの。 特に海の青さが目に染みます。 カムイワッカ湯の滝の沢が眼下に望めます。林道の通行止めに伴い今のところこの登山道も立入禁止。

■知床大橋

知床西海岸のバス終点。ながらも現在はバスはカムイワッカ湯の滝まで、ここも行くことができません。小高い所から滝を望める場所があります。



北海道旅情報巻頭  4-15.知床・清里  
4-15-1.知床西海岸