4-4-1.支笏湖


支笏湖周辺

支笏湖は札幌や千歳空港に近いながらも湖の周囲は限られた場所にしか人の気配のしない洞爺湖とは対照的な自然が多い湖です。手軽に楽しむ場所としては支笏湖畔温泉周辺、オコタンぺ湖展望台、苔の洞門などが挙げられるでしょう。また日帰り登山の山として恵庭岳、紋別岳などがある点も見逃せません。また支笏湖畔温泉の第五駐車場では1月末〜2月中旬に千歳・支笏湖 氷濤まつりが開催されます。

宿泊地としては支笏湖畔温泉がメインで高級ホテルの支笏湖第一ホテル翠山亭、若干安めの価格帯では支笏湖観光ホテルや休暇村支笏湖、支笏湖北海ホテル、さらに安い施設としては支笏湖YHがあります。また支笏湖北岸には一軒宿の丸駒温泉、やいとう温泉があります。またとほ宿としてはモーラップにラップランドがあります。

札幌からのバスはシーズンのみの運行です。また支笏湖西岸の林道は狭く通行止めの場合も多く確認が必要です。

(交通:札幌-[約63分]-ポロピナイ--支笏湖畔[バス20分]-支笏湖畔・新千歳空港-[バス52分]-支笏湖畔・苫小牧-[バス40分]-支笏湖畔)

■丸駒温泉

支笏湖北岸の定評のある温泉旅館。露天風呂は湖と繋がった水路のある天然露天風呂と一段高いところにある展望露天風呂があります。前者は私が訪問した際は少々ぬるかったのですが逆にのんびりと浸かることができました。湖面とほぼ水位は同じでまるで湖に浸かっているかのようでした。 日帰り入浴の時間は短く宿泊者には嬉しい配慮ですが登山後の利用には厳しいかもしれません。

(日帰り入浴:1000円10時-15時)

■いとう温泉

丸駒温泉へ向かう途中にある一軒宿。丸駒温泉の知名度には劣りますが樽前山を望む露天風呂はなかなかのものです。内湯は小さく、露天風呂からは離れています。冬期休業。

(日帰り入浴:700円 10時-16時)

■美笛の滝

支笏湖に流れ込む美笛川にある滝です。知名度は低いながらも高低差が50m程度あり段々に流れ落ちてくる様は壮観です。駐車場から滝までは20分程度。



支笏湖畔温泉周辺

支笏湖畔温泉周辺を歩き回る基点はやはり温泉街です。支笏湖畔駐車場は4月1日〜11月30日と氷濤まつり期間中は有料で410円となります。

■支笏湖畔温泉

支笏湖畔温泉の日帰り入浴は支笏湖第一ホテル翠山亭、支笏湖観光ホテル、北海ホテル、休暇村支笏湖。支笏湖第一ホテル翠山亭は食事とセットの日帰りプランのみの設定です。支笏湖観光ホテルは浴室は広く落ち着ける雰囲気。露天風呂は庭園風ですが湖は望めません。また北海ホテルは国道453号の東側に位置するホテルで浴室は改装され露天も明るく好印象でした。温泉街の「寿」で食事したところ割引券があり500円で入浴できました。

(日帰り入浴 支笏湖第一ホテル翠山亭:2625〜3675円(松花堂弁当付き)、11時〜15時、支笏湖観光ホテル湖水館:1000円 11時〜16時、北海ホテル800円、11時〜17時、国民休暇村:700円、11時〜16時)

■支笏湖畔温泉商店街

昔ながらの土産物屋と新しい店が混在した興味深い商店街です。支笏湖ということでヒメマス料理の店を一通り吟味し「寿」に入店。オリジナル寿セットのチップの握り寿司は絶品でした。

■支笏湖ビジターセンター

館内はごく一般的な展示内容ですが休日を中心に自然観察会を開催しています。訪問時には山線軌道版画展を開催していました。

(入場料無料、9時-17時半、冬期9時半-16時半)

■野鳥の森

支笏湖畔温泉の千歳川を渡る山線鉄橋を基点とする散策コースです。 中モーラップまで30分、モーラップまで1時間、湖岸散策を楽しめます。 中モーラップまでは湖岸すぐ横を歩くコースと湖畔展望台を経由するコースがあります。山線鉄橋は明治32年に空知川を渡る橋梁として建設され、その後大正13年王子製紙が移設し王子軽便鉄道(山線)の橋梁として利用されたものです。

■紋別岳

支笏湖畔温泉から手軽に登れる山で山頂と途中数箇所の展望がすばらしいのですが全コースに渡って舗装道路という点が残念なところ。 冬場にクロカンで登る人も稀にいますがかなりきつい。

■支笏湖遊覧船

天気のよい日に湖から眺望する山々は感動的です。スーパーボート、スワンボートなどもあり。

(湖上遊覧30分:930円)



恵庭岳・オコタンペ湖

■恵庭山

標高1319mの山で登山口から山頂まで標高差が1000mありなおかつ急勾配が続くので、 体力的には少々厳しいものがありますが登山道は一部に侵食が進んだ箇所があるものの比較的良く整備され快適です。

登山口から見晴台までは最初単調に樹林帯の中を登り、最後這い登るような急斜面になります。この急斜面は精神的にも疲れますが徐々にそんな中展望が開けてきます。 そして見晴台からの支忽湖の眺めは秀逸で疲れが吹き飛ぶことでしょう。 第二見晴台から山頂までは落石等の危険があり現在は立入禁止になっています。

■イチャンコッペ山

標高828mの山で新規に登山道が開削されました。紋別岳よりも若干標高は低いのですが紋別岳に劣らぬ支笏湖の風景を楽しめますし、登山道自体が紋別岳は車道なのに対してこちらはれっきとした登山専用の道です。

■ポロピナイ

支笏湖の北側で遠景には樽前山があり女性的な湖を眺めることができます。 夏場には売店も営業。キャンプ場としても知られています。

■オコタンペ湖

オコタンペ湖は支笏湖の壮大さとは対照的に箱庭的美しさを保った湖です。 支笏湖に訪問の際には立ち寄ることをお薦めします。 展望台からの風景は息を呑むという程ではありません。 また展望台から下っていった湖のほとりも入り江の奥のためぱっとしません。 やはり湖の西岸への道をハードですが登りたどり着くオコタンペが最高です。 道なき道をさらに歩いていくと恵庭岳を正面に望むことができる草地に行くことができ、 ここでぼーっとすると時が経つのを忘れてしまいそうになります。オコタンペ湖へはバスはないのでオコタン分岐点から歩くことになります。 また車で行く場合展望台には駐車場がありますが西岸への道の入り口には駐車場がありません。 路肩に注意して駐車することになります。

展望台からオコタンペ湖へ降りる道は現在立入禁止です。

(交通:札幌-バス[53分]-オコタン分岐点-バス[6分]-恵庭岳登山口-バス[24分]-支笏湖)



恵庭渓谷

■白扇の滝

ラルマナイ川本流の滝で落差こそ少ないものの水量があり美しい。恵庭渓谷に数ある滝の中で最も人気があります。紅葉の時期は紅葉した木の枝が滝の上にかかります。

■ラルマナイの滝

小さな駐車スペースがありそこから歩道を下っていくと滝の真上の橋に出ることができます。私の訪問時はそのすぐ上流に台風の影響による倒木があり無残な姿でした。道道の橋の上からと橋の脇から下っていく歩道がその終点の滝下の広場からも眺めることが可能です。

■三段の滝

道道の橋の上から眺めることができます。ラルマナイの滝とセットで訪問しましょう。道道の橋は紅葉をかたどった飾りが付いていて橋により微妙に色合いが変わっていくのがおもしろい。

■えにわ湖

特筆すべき点はあまりないのですがダムのすぐ下は桜公園になっています。森林公園も隣接してあり。

■モイチャン滝

林道を行った先にある滝で周辺には幾つかさらに滝があります。



丸山遠見望楼

丸山から林道をたどっていくと行くことができる展望台です。 展望台自体も木材を組み合わせてできた味のあるものです。 樽前山を遠望することができますが何と言ってもここの目玉は遥か果てまで続く森林地帯です。 ちなみに展望室にあがる入り口の蓋は頭を打ちやすいので注意しましょう。 それと冬はこの展望台に登る手前から視界がきいてしまうので夏に来た方が上っていった時、突然視界が開け感動も増します。

(交通:支笏湖畔-[バス10分]-丸山-[徒歩30分]-丸山遠見望楼)






樽前山登山・苔の洞門

山頂部が半円の形をした溶岩円頂丘ということで室蘭本線から見てもとても目立つ山です。 山だけでも大変魅力的ですがその山麓に広がる森林帯に息を潜める川が創る風景もすばらしいものがあります。

■7合目コース

小1時間で登れてしまう大変楽なコースです。 すぐに森林限界を抜け樹海を見渡しながら登るので疲れを感じることはないでしょう。 溶岩円頂丘の本当の山頂に登ることはできませんが外輪山の東山、西山や噴気孔などを巡ることができます。 冬場にスノーモービルで登る人がいますがそれはやめて欲しいものです。

苔の洞門からのコースは洞門の崩落の危険があるため現在利用できません。また樽前ガローからのコースも中級者向きですがあります。

■風不死岳へ

樽前山に行ったら絶対に寄って欲しいのが風不死岳です。 7合目コースから朝早く登って樽前、風不死とふたつ味わうのがお勧めです。 樽前から風不死まで約2時間、急坂がありますがそれもわずか、楽しんで登れます。 樽前と違い山頂は木々に囲まれ暑さを癒してくれます。 支笏湖が眼下に望め、目を奪われることでしょう。

■苔の洞門

地面が大きなナイフでえぐられ、その崖に苔が一面に貼りついた様な印象を受けますが実際は昔の川が侵食してできた峡谷の跡です。 洞門は2つに分かれ、第1洞門は崖の高さが10m程あり迫力を感じますが第2洞門は背の高さ程の崖の所もありかわいささえ感じてしまいます。 以前は洞門の中を歩くことができたのですが現在洞門自体の崩落の可能性があり無期限で立ち入りは規制されています。その対策として平成14年7月頃に入口に中が見渡せる展望台が建設される予定です。

(交通:支笏湖畔-[7km]-モーラップ-[10km]-苔の洞門・苫小牧-バス[40分]-苔の洞門-バス[1時間30分]-洞爺湖温泉{1日1往復})


口無沼

丸山から望むことができる樹林帯の中にそっと息づく沼です。 流れ出す川がないから口無の名がついたとか。 春には沼の岸辺がかえるで覆われます。














北海道旅情報巻頭  4-4.支笏・苫小牧
4-4-1.支笏湖