4-2-1.松前・津軽海峡


木古内

木古内は北海道新幹線開通の折には駅が設けられ北海道の玄関口となります。観光的な要素は非常に少なく、町内にあった木古内、札苅、泉沢の円形校舎もすべて取り壊されてしまいました。

■サラキ岬

サラキ岬は江戸幕府の軍艦咸臨丸が遭難沈没した場所で咸臨丸のモニュメントがあります。5月にはチューリップ祭りも開催される。


■木古内ビユウ温泉

「ホテルのとや」の温泉で露天風呂はないが浴槽から海だけは見ることができます。町内の銭湯の役割も併せ持つ。塩化物-ナトリウム泉の濃い茶色の湯はなかなかのもの。レストラン併設。

(日帰入浴:500円6時-22時)

■亀川温泉枕木山荘

森の中の宿で情緒を感じる場所。含硫黄・ナトリウム-炭酸水素塩泉の冷泉を加熱し使用しています。

(日帰入浴:500円10時-20時)

■萩山・薬師山

木古内市街の裏手にある小高い丘でちょっとした展望施設がある。薬師山はシバザクラの季節がよい。

(交通:函館-[JR普通60分]-木古内)



福島・知内


青函トンネルの北海道側で最初に踏み入れる地がこの福島町です。青函トンネルの建設当時はかなり賑わいましたが今はその喧騒は過去のものとなってしまいました。青函トンネルを抜けて最初の駅が知内になります。福島町の青函トンネル記念館は平成14年10月末日をもって閉館し、新たに町立の施設が平成17年度に開館する方向で話が進んでいます。

青函トンネルの入り口は知内町にありますがすぐ第一湯の里トンネルに入ってしまうため第一湯の里トンネルの入り口が一般的には北の玄関口ということになっています。国道228号線沿いに手作りっぽい展望台があります。

■横綱記念館

福島町は千代の富士、千代の山の二人の横綱の出身地として知られています。相撲中継では必ず出身地が館内放送で告げられるので覚えている人もいるのではないでしょうか。当時の名取り組みの映像を見たり、再現された九重部屋に入ることができますが相撲ファンでないとなかなか楽しくはないかもしれません。道の駅としての機能はいまいち。

(入館料:500円9時-17時、冬期月休)

■松前温泉

煉瓦屋根の松前らしい日帰り入浴施設。美人の湯と呼ばれる温泉はナトリウム塩化物・硫酸塩泉で気持ちがいい。

(日帰入浴:330円11時-21時)

■吉岡温泉

一通りそろったいまどきの町営温泉。

(日帰入浴:400円10時-21時)

■松浦展望台

道路に削られた岩場の上に崩れそうな不可思議な展望台があります。かつてはちょっとしたスポットとして賑わったかもしれないのですが、今は駐車スペースもほとんどなく、そこだけ歴史に取り残されたような雰囲気でおもしろい。

■白神岬

北海道最南端の岬。道路の脇にちょっとした駐車スペースがあり、白神岬の石碑が立てられています。津軽半島は目の前です。1km程松前よりには白神岬展望広場もありこちらのほうが駐車スペースもあり休憩にはいいかもしれません。

■岩部海岸

険しい断崖が海岸まで張り出した岩部海岸はその先海岸を通る道路もなくなる秘境です。

■知内温泉

幹線道路からはずれた所にある温泉で施設自体は古く、広くもないのですが味わい深い温泉です。展望台の湯をはじめとする野天温泉も近くにあるがかなり熱い。

(日帰入浴:350円7時-21時)

■こもれび温泉

新しい町営温泉。水着が必要なプールも。

(日帰入浴:400円10時-21時、月休)

■矢越海岸

この海岸もものさびしい雰囲気が漂う。途中駐車スペースが1ヶ所あり海岸に下りることもできます。

■重内展望台

知内の田園地帯と津軽海峡を望む。

(交通:木古内-[バス15分]-知内-[バス38分]-福島-[バス42分]-松前)


松前

江戸時代に蝦夷地への入口として栄えた松前は北海道において唯一、城下町の雰囲気を持った町です。本州的でありながら微妙に植生が違うため独特の風景が展開します。残念なのは幕末維新の時、多くの寺が焼失し、松前城も昭和期に焼失したことです。しかしながら町の魅力は今でも町を歩けば感じることができるのです。

バスで訪れる時には松城を下車、車の場合でも松前城南の駐車場か松前藩屋敷東の駐車場に車を止めあとは歩きましょう。町内は必ずしも車の通行が禁止されているわけではありませんが、狭い道路が多く途中に駐車場もありません。北海道有数の桜の名所としても知られます。

■松前城

松前の桜は松前城を南の中心とし一帯に広がります。松前の桜は独特でソメイヨシノではなく南殿というピンクの鮮やかな種類をメインに白い雨宿なども魅力的に咲き乱れます。5月初旬から中旬の桜風景はたいへん魅力的なのです。

天守閣は松前藩からアイヌまでの資料が展示されている資料館になっています。

(入館料:270円9時-17時、4月10日〜12月10日)

■桜見本林

いろんな種類の桜が一本づつ植えられています歩道を歩かずにその中を歩いていくのもいいかもしれません。。町のはずれには新桜見本林、バラ園、ボタン園もあります。

■桜資料館

桜を題材にした芸術品を展示した小さな施設。桜の写真のしおりがもらえます。

(入館料:150円)

■松前藩屋敷

江戸時代の松前を再現したテーマパーク。 武家屋敷、奉行所などの建物が再現されていますが中では四六時中音楽も流れていてなんとなく俗っぽい。ここに時間を割くのもいいかもしれませんが、私としてはそれよりも寺めぐりをしたりする方が有意義な気がします。

(入館料:350円9時-17時、4月10日〜11月上旬)

■光善寺

松前の桜の源ともいえる銘木、血脈桜はここにあります。山門が落ち着いた雰囲気をかもしだしています。

■龍雲院

均整の取れた戦火を逃れた建物が建っている寺です。

■孟宗竹

北海道には本来孟宗竹はなかったのですが、本州の風景を懐かしんだ松前藩が移植し一ヶ所だけ竹林が広がります。当時の松前藩の人々の気持ちを想い訪れてみるのもいいでしょう。他のスポットと離れていますが車の駐車スペースはないので歩いて行きましょう。

(交通:木古内-[バス90分]-松城-[バス5分]-松前BT)


松前から江差へ

追分ソーランラインラインと名付けられた道南の日本海側の海岸線をはしる国道228号は函館札幌間を結ぶ国道5号線とは違い交通量も少なく快適なドライブが楽しめます。逆に言えばめぼしい観光地はほとんどなく自分から魅力を探しながら旅をしていくことになるでしょう。

お薦めしたいのがこの国道228号の旧道歩きです。今は台地の上を長大な橋梁で渡っていく道路もかつては台地を刻む谷にぶつかるたびに台地から下り小さな橋で川を渡っていました。そんな旧道がここにはたくさんあるのです。一部は橋が崩れてしまっていたりしている所もあるのですが、そんな所にもロープが張ってあったりするので歩いている人が他にもいるのでしょう。地形図を片手に人気のない海岸線を歩いてみるのもいいものです。

■道道石崎松前線ダート

長距離のダートを満喫できる路線です。展望はあまりきくところもないのが少し残念。カーブが随所にあり登山者などの一般車両も多い。

■大千軒岳

本来のルートは福島側からですが石崎松前線からも大千軒岳に通じ簡単に頂上に立つことができます。峠からのルートが一般的で最短です。行程の半分は森林限界を超えお花畑の中を行く。

■中外鉱山跡

かつてマンガン、亜鉛などが産出した鉱山も今では使命を終えその残滓が道路の脇に立ち並んでいます。中でも眼を引くのが鉛筆上に林立した遺構です。半分砂利に埋もれたその姿は独特で一見の価値があります。そのさらに先には若葉小中学校の木造校舎と体育館がぼろぼろになりながらも原型を留めています。危険ですので立ち入りは絶対にしないでください。

■比石館

追分ソーランラインは松前から江差の間は高台の上を主に進んでいきます。そんな高台は海にすとんと落ちるように崖になっていてラスタッペ岬、日方泊岬などを形造っています。そしてそんな高台のひとつにかつて江戸時代に城が設けられました。それが比石館です。どの高台からも見るものといえば海と草原ばかりなのですがそれがとてもいいのです。

■松前町営牧場

かなり高台まで牧草地が続き海も見渡せていい気分のところです。この一帯は農業的には厳しいところの様でここ以外で農業的に利用されている場所は本当に一部しかありません。

(交通:松前BT-[バス49分]-小砂子-[バス49分]-江差BT)


北海道旅情報巻頭  4-2.松前・江差・奥尻
4-2-1.松前・津軽海峡