4-12-1.釧路湿原(釧網線沿線)


釧路湿原(釧網線沿線)

釧路湿原は昭和62年に国立公園に指定された広大な湿原です。 その湿原を楽しむにはどんな方法があるかというと釧網本線の列車から車窓を眺める、釧路川をカヌーで下る。 湿原の木道を歩き丘陵地の展望台に登ることなどができます。特に釧網本線の通る東側は釧路湿原が全体に東に傾いているということもあり、釧路川が湿原に寄り添うように流れていて変化のある」風景を楽しめます。

また温泉も点在していてそれらに立ち寄ったり、塘路湖でわかさぎ釣りをしたり、タンチョウを鑑賞したり、冬も夏も様々なことができるのです。

■くしろ湿原ノロッコ号

GWから夏の期間、釧路-塘路間を運行するトロッコ列車。5両編成で展望車は4両、普通車は1両、うち指定席は展望車の2両です。真ん中にテーブルのある6人席が並ぶ側が釧路湿原側で展望が楽しめますので、確実にこの席を確保したい人は指定席を予約しましょう。釧路湿原の中を流れる釧路川の風景を満喫できます。

■釧路川カヌー

釧路川下流のカヌーを楽しむコースは「@塘路湖-細岡カヌーポート」が最も一般的で、湖から出発し、阿歴内川と釧路川の合流し、釧路湿原の中の釧路川を下るという変化のあるコースを楽しめます。また「A細岡カヌーポート-岩保木水門」も釧路湿原の中を蛇行する釧路川を実感できるコース。それ以外にも数コースあり、好みのコースを一度体験してみましょう。カヌーを体験できるツアーはレイクサイドとうろ、塘路ネーチャーセンター、釧路マーシュ&リバー、わっかなどが主催していますが事前に予約が必要です。

(釧網本線:釧路-[11分]-遠矢-[7分]-釧路湿原-[4分]-細岡-[9分]-塘路-[7分]-茅沼-[6分]-五十石-[7分]-標茶)




岩保木周辺

■岩保木山

知名度は後発の細岡大観望には劣りますが釧路湿原を眺望する昔からの場所でバイカーを中心にとても人気のある展望地です。標高も約120mと高度があり最近は少なくなりましたが夏のシーズンには夕陽を見る人で賑わいました。釧路湿原とその中を蛇行する釧路川を眼下に望むことができ、 釧路川を感じることのできる展望地としては私としては一番だと思います。 山頂付近は荒れた道が縦横に走りたいへんわかりにくいのですが尾根沿いに展望地が数ヶ所あります。岩保木水門に至る道路からの登山道は少々荒れています。

車の場合、遠矢と細岡を結ぶ林道を通ればかなり近くまで行くことができますがこちらも荒れているので要注意。 林道から分岐した先は車で行くことは不可能なので車を降りて歩きましょう。

徒歩の場合は遠矢駅からになりますが他の展望地と比べると距離があります。 往復と山頂での休憩時間を考慮すると3〜4時間程度必要です。 私が遠矢から岩保木に向かって歩いた時、後ろから来る車がスピードを急にゆるめ併走しお菓子を渡してくれたことがありました。

■岩保木水門

平成2年完成の新水門と昭和6年完成の旧水門があり、周辺が草地になっています。旧水門は上部が木造で趣きが深い。

■釧路湿原道路

平成15年11月30日に完成した湿原を横断する道路。湿原を貫く途中には休憩スペースはなく、ただひたすらに走ることになりますが釧路市街を回避するバイパスとしてはたいへん有効で釧路空港から大観望へ向かう時などは便利です。新釧路川を渡る橋がありその歩道の広くなった場所にボタンがあり押すと詩吟が流れるらしいのですが私の訪問時は先客のカップルがいて断念。交通量が多く橋の上に車を停めると大渋滞を引き起こしますのでもし試される方は橋の袂の川の堤防部分に車を停め歩いていきましょう。

(交通:釧路-[釧網線11分]-遠矢-[徒歩70分]-岩保木山)



細岡大観望周辺

■細岡大観望

釧路湿原が国立公園に指定され、その頃から湿原を訪れる人がにわかに増えはじめました。 JRも釧路湿原をアピールするため釧路湿原駅を開設し、その丘に新たに造られた展望台がこの細岡大観望です。もともと展望を考慮して造られたので眺めは抜群です。 駅からも10分程度で行けるので手軽に展望を楽しむことができます。

シーズンには釧路−塘路間を走る「くしろ湿原ノロッコ号」で釧路湿原駅に降り立つのもいいでしょう。シーズンオフには釧路湿原駅停車の列車は限られてくるので注意が必要です。

細岡大観望にはビジターズラウンジに喫茶、売店とギャラリーあり。また「みん宿&喫茶のーむ」でもコーヒーを飲むことができます。 のーむの室内にかざってあった湿原風景の絵も味があり好印象でした。

■夢ヶ丘展望台

細岡駅から達古武木道を北に向かうか達古武オートキャンプ場から木道を西に向かうと到達できる展望台です。尾根の南側のへりにとって付けられた様な展望台なので南の眺望はいいのですが北側は木にじゃまされ全く見えません。釧網本線をはしる列車、達古武沼、釧路川などを望むことができます。しかしながら行くための木道が損壊のため長期間通行止になっていて、普通に展望台に行くことは不可能です。

■新夢ヶ丘展望台

「冬のSL湿原号」を撮影する穴場スポットですがこちらも普通に行くことはできません。伐採されていた木々が再び茂ってきたため展望は悪くなってきています。

(交通:釧路-[釧網線18分]-釧路湿原-[釧網線4分]-細岡)



塘路周辺・コッタロ湿原

■塘路駅

ノロッコ号の終点、塘路駅は湿原散策の基点。 駅には喫茶店も併設、レンタサイクルがあり、マウンテンバイクで塘路湖、サルボ展望台やコッタロ湿原へも行くことができます。

■あるこっと

塘路湖岸にあるエコミュージアムセンター。 湿原を簡単に解説した展示ゾーンと展望ゾーンに分かれます。 近くに標茶町郷土館もあり。

■レイクサイドとうろ

細岡までのカヌー体験、湿原ウォッチングツアー、引き馬などが体験できます。冬は犬ぞり、わかさぎ釣りも。

■ヘイゼルグラウスロッジ ピルカトウロ

オーベルジュピルカトウロを紆余曲折を経てヘイゼルグラウスマナーの親会社が運営しています。質の高いランチやディナーと宿泊を提供。

■塘路ネイチャーセンター

カヌーツアーなどを主催。

■二股

釧路川と塘路湖からの川が合流する所で岸に近づくことができます。簡易軌道久著呂線の木橋の挽歌橋がかつては架かっていました。

■サルボ展望台

高い展望台があり、塘路湖と釧路湿原を見渡すことができる展望台です。 釧網本線を走る列車の撮影ポイントとしても有名。展望台入口の駐車場は車上荒らし注意の看板が林立しています。

■サルルン展望台

サルボ展望台からさらに進むと、かつて茅沼へ向かっていた散策路の途中に展望台があり、サルボ展望台よりも明るく気持ちが良い。

■三角点

サルルン展望台のさらに先にも踏み分け径は続き、そこから分岐して尾根に出たところに三角点があり、ここからの眺望もすばらしい。分岐は非常にわかりにくいので注意しましょう。

■二本松展望地

釧路川のすぐ脇にある丘が二本松展望地と呼ばれています。 ここも案内板はありませんが丘はここくらいしかありませんのですぐ分かると思います。 丘の下の駐車場に車を置き砂の丘をよじ登ります。 風景も湿原の中の小島にいるような雰囲気でとてもいい。 釧路川寄りは崖で危険なので注意しましょう。

■裏二本松

潅木に覆われない時期には東に展望が開け、釧網本線の撮影スポットにもなる場所。

■コッタロ湿原

釧路湿原の最も奥まった所にある台地に囲まれた湿原がコッタロ湿原です。 人の手があまり入っていない場所でいつまでも残しておきたい場所の一つでしょう。

展望地は高台に2ヶ所、道路脇に1ヶ所あります。 中でも一番南側のトイレのある展望地がいいかとおもいます。 階段を登って行くと広がる風景は湿原とその中を蛇行する川、周りの森林地帯が一手に見渡せます。コッタロ湿原はタンチョウの営巣地としても著名。



茅沼・五十石周辺

■茅沼駅

タンチョウの飛来する駅として知られる。冬には給餌をしているので見ることができる確率が高くなります。 線路に降りたりして近づくのは厳禁。

■モールガーデンむらぎし(休業)

惜しげもなくモール泉が溢れていて、モール泉をじっくり楽しみたい人には嬉しい温泉ですが休業中。

■憩いの家かや沼

シラルトロ湖を望むことのできる温泉で、ひのきの露天風呂が快適。 源泉風呂もあり。

(日帰り入浴:400円,11時-23時,火木土日9時半-23時)

■シラルトロ自然情報館

憩いの家のすぐ先にある無人の釧路湿原やシラルトロ湖の自然情報をパネルで紹介した施設でシラルトロ歩道を歩いた後に休憩するには最適。

(営業時間9時-日没,5月-10月)

■蝶の森展望台

憩いの家からサイクリングロードを1km程南下したところにある展望台。シラルトロ湖と釧路湿原が見えるが平面的。

■シラルトロ歩道

蝶の森展望台からかつてはサルボ展望台まで木道が通じていたのですが木道の損壊が進み長期間通行止めになっていましたが北側の一部のみ復旧されシラルトロ歩道と名付けられました。憩いの家から蝶の森展望台まで20分、さらにシラルトロ歩道を20分程歩くと展望広場と野鳥観察施設があります。展望広場は人も少なく釧路湿原とシラルトロ湖が見渡せ快適です。

■五十石温泉・レストラン草原

五十石駅のすぐ近くにあるレストラン併設の温泉ですが、レストランは長期休業中。湯船は大きな内風呂がひとつだけ、現在では地元の人の利用のために夕刻〜夜間のみ不定期に営業するのみですので旅での入浴には運が必要です。 なかまの家宿泊の時に入浴しましたが無色透明の食塩泉は芯まで暖まります。

(日帰り入浴:300円,不定期夕刻〜夜間)

■シロンドー温泉(廃業)

国道沿いで気軽に立ち寄ることができる温泉。無色透明の食塩泉。

■味幸園

名前からは想像もつかないかもしれませんが道東一の天然温泉のキャッチフレーズに恥じることのない温泉。茶色のモール泉がこんこんと溢れ出ています。場所は少々わかりにくい。休業していたが復活。

(日帰り入浴:500円,10時-21時)

■ロッジシラルトロ

シラルトロ湖を望むことのできる小さな宿。カヌーツアーも主催しています。温泉で日帰り入浴も可能。

(日帰り入浴:500円,10時-15時)



北海道旅情報巻頭  4-12.釧路湿原・霧多布
4-12-1.釧路湿原(釧網線沿線)