■森の中の小さな輝き・カムイト沼
天北の原野の中には大小さまざまな湖沼があります。そんな中で最も私が好きな沼がこのカムイト沼です。猿払村を南北に縦断する国道238号には面していないので車の音もほとんど聞こえることもない静かな沼です。浅茅野の集落に入り立派な舗装道路を北上していくとこの沼があります。簡単に行くことができるのですがここに来るまでの道のりを考えるとどうしてもやってくるのはたいへんなことでしょう。正直私はここで他の旅をしている人に出会ったことがありません。
沼の東を道路が通り、その道路はカムイト沼をちょっと見下ろすくらいの高さです。そしてその道路から階段がついていてカムイト沼の岸に近づくことができます。岸の歩道は木道になっていますが東岸のほんの一部だけで一周はできません。沼の西岸はヒグマの生息地でもあります。
昼間のカムイト沼もいいのですが時間的に最も美しい風景が見ることができるのは夕暮れ時です。ちょうど東から沼を眺めることになるので赤い太陽が沼面に反射し輝くのです。周りは森で一足早く闇に包まれ黒い影が沼を覆います。この風景を見てしまうともうカムイト沼の虜になってしまうに違いありません。
夏なら浜頓別にサイクリングターミナルがありそこからやって来るのもいいでしょう。また猿払公園にもレンタサイクルがあり南に下ってくるのもいいでしょう。ただしサイクリングロードはシーズン外には熊の出没の危険から通行止めになることもあるようです。
また冬に訪れようとしたこともあるのですが残念ながら浅茅野から猿払への道は冬期は通行止めになっていました。気象的にも過酷な場所ですので天候の極めて恵まれたときならスノーシュー、クロカンで行くことも可能だと思います。
■昼間のカムイト沼
■夕暮れのカムイト沼
北海道旅情報巻頭 3-4.川と水の風景