■遠別川と久光堰堤
遠別川はその流域すべてが遠別町内に内包される川であまりその存在が気にかけられることも少ない地味な川です。そうはいっても川の長さは約50kmにも及び河口では水量もそこそこあります。
私は地図を見ているとこの川の側に水稲発祥の地と書かれた記念碑のマークを見つけました。遠別は稲の生育の北限であり、この遠別川の流域こそが海の影響も余り受けることのない稲作地帯なのです。そんなことで私はそれに関する記念碑か何かかと思い行ってみました。降りしきる雨の中記念碑があると思われる場所を何度か往復するもその碑は見つけることができませんでした。
残念に思いながらもそれ以外に何かないかと地図を見ているとこの久光堰堤の文字が目に飛び込みました。そこで試しに行ってみたのです。雨の中水量はかなり多く水は茶色に濁っていました。
そんな時、一台の車がこの堰堤にやって来たのです。こんな観光地でもないところに何で人がやってくるんだろうと思い聞いてみるとこの堰堤では鮭の遡上が見られるということなのです。私は驚き改めて川を見返しました。しかしながら鮭がいるから白いさざなみがたっているのか、水量の多さからさざなみがたっているのかどうしてもその見分けはつきませんでした。
しかしながら地元の人がこうしてやって来るということは水が澄んでいれば鮭の遡上が存分に見ることができる場所として考えていいのでしょう。堰堤は2〜3段になっていてその段を必死に上ろうとする鮭を見ることができるのでしょう。私はそんな光景を一度見たいと思いながらもかなえられず帰ってきました。
時期と天候次第で立ち寄るのもいいのではないかと思います。
北海道旅情報巻頭 3-4.川と水の風景