4-19-3.浜頓別・猿払


浜頓別・猿払周辺

浜頓別・猿払周辺は日本でも有数の自然環境の厳しい場所です。 短い夏は牧歌的な風景が魅力的ですが半年を越す冬は夏とは対照的に雪と氷に閉ざされます。 地吹雪という言葉は日本ではあまり使われることはありませんがこの地方ではそんな天候もしばしば展開するのです。

夏にはサイクリングで湖沼、原生花園散策を訪れましょう。 点在する沼は牧草地に囲まれた沼、森に包まれた沼などとても魅力的です。レンタサイクルははまとんべつ温泉ウイング、トシカの宿、さるふつ公園内のサイクリングターミナルなどで借りることができます。

冬はそれらの湖沼も雪に覆われてしまいますので浜頓別近辺にゆっくり滞在しましょう。 クロカンをやるなど宿の企画を楽しんだり、白鳥、流氷を眺めるのがいいでしょう。

宿泊には浜頓別にははまとんべつ温泉ウイングと旅宿のトシカの宿があり、猿払にはさるふつ公園内のホテルさるふつや鬼志別の笠井旅館などがあります。

■水没道道

浅茅野から上猿払へ抜ける道道はダートです。低い湿地帯を通るため、雨が続くと水没してしまうため道は通行止めになります。そのことを示した看板で写真を撮るのもいいでしょう。実際に水没した姿を見た人は未だいない。

■果てしない道

エサヌカからベニヤへひたすら続く直線道路があり、最果てであることを感じさせてくれます。

(交通:音威子府-[バス88分]-浜頓別-[バス33分]-猿払-[バス29分]-鬼志別-[バス94分]-稚内)




猿払周辺

■モケウニ沼

黄緑の牧草の台地に囲まれた中の窪地にある小さな沼で開放的な明るい風景が魅力です。南から進入して行くと台地の上から沼を見渡せ、そこから台地を下り木道を歩いていくと岸までたどり着けます。

■カムイト沼

森に囲まれたとても神秘的な感じのする沼です。主要観光ルートにあったら大人気間違いなしですがこんな場所にあるのでほとんど人の気配さえありません。国道238号を通ることがあったらここだけは寄り道するのをお薦めします。浜頓別からのサイクリングでモケウニ沼、カムイト沼をめぐるのもいいでしょう。

■浅茅野湿原

この付近の標高の低い場所はほとんどが湿地帯になっていて、ここもそんな場所のひとつです。

■エサヌカ原生花園

猿払の海岸線にある原生花園。海浜の植物が多い。あまり多くの人が訪れる場所ではなくさびしい雰囲気。

■ポロ沼

浜猿払にある天北原野ではクッチャロ湖に次ぐ大きさの湖。

■キモマ沼

旧天北線を改良した道路から眺めることができる沼です。そばの台地の上に農家がぽつんとあり風景に調和している。岸に近づくルートもあるらしい。

■猿払公園

猿払の観光拠点として整備された公園です。インディギガル号の慰霊碑や風車などがあり、加えてレストランなど一通りの道の駅的機能がそろっています。サイクリングターミナルがあり猿払牧場を一周したり、猿骨沼を眺めることができるのが嬉しい。

■さるふつ温泉

新しい施設ですがさほど大きくもない簡素な温泉。

(日帰り温泉:350円、10時〜21時、第1月休)


クッチャロ湖周辺

■クッチャロ湖一周サイクリング

浜頓別からのサイクリングの中で丘風景、牧場風景を楽しむならクッチャロ湖を一周するのがいいでしょう。 アップダウンはクローバーの丘や88高地に向かおうとすると当然ありますがすばらしい風景が随所で眺めることができます。道路の交通量は少なくゆったりサイクリングが楽しめます。

■ベニヤ原生花園

浜頓別に程近い原生花園です。 海から浜の砂丘を越えた所にある細長い湿地が延々と広がり、 花々が咲き乱れます。 海に近いためガスがかかることも多い。 バス利用でもバス停が近くにあるため1km歩くだけで簡単に行くことができます。

■クローバーの丘

クッチャロ湖とその周辺の牧草地を見渡せる展望台。なぜか鳴らすことができる鐘があります。

■88高地

標高が88mということで名付けられた展望地。 クッチャロ湖が見渡せます。

■クッチャロ湖

天北原野で最も大きな湖です。水鳥観察館があり特に冬場にはコハクチョウの中継地として賑わいます。

■浜頓別温泉ウィング

炭酸水素イオンの含有量が国内では有数。施設の規模も大きく宿泊もできます。

(日帰り温泉:500円、10時〜21時)


浜頓別ウソタン砂金地

日本で最も大きな金の原石が見つかった場所として有名です。 ゴールドラッシュもここウソタン砂金地が本場であったとか。 今も林道を溯った所には金山神社があったりします。 沢沿いの道路は整備されていますがどこに遺跡があるかなどは素人にはとてもわかりません。 砂金採掘公園で砂金掘りを体験するだけにとどめておくのが無難です。

道内では初めて出来た砂金採掘公園で川に入って砂をすくいその中から砂金を見つけ出します。 一回やって見つかるのはほんのわずかなのですがそれでも結構楽しいです。 自分で見つけた砂金はアクセサリーにして持ち帰ることができます。

浜頓別町はこのウソタン砂金地を歴史として残すため砂金博物館を構想中です。 まだできるのは先かとは思いますが期待して待っていましょう。

このウソタンをはじめとする砂金掘りの話は「北辺のゴールドラッシュ」という本にまとめられています。 私も手元にはないので確実なことは言えないですがたぶん絶版になっているのではないでしょうか。 興味がある方は図書館で探してみるのもいいかもしれません。


中頓別周辺

中頓別は標高自体は高くはないのですが高原の町といった雰囲気を持っています。 宗谷本線からはずれるためちょっと不便ですが 道北で数少ない登山道のある山があるので寄ってみるのもいいのではないでしょうか。 ゴールドラッシュのあった町として浜頓別とともに有名です。

■敏音知岳

初心者でも簡単に登れる山です。 バスから見てもとても目立つ山で登山意欲を駆り立てます。 途中白樺の泉と呼ばれる水場まで40分、そして軍艦岩を経て山頂まで約1時間40分の行程です。 山頂からの展望は周りに高い山がないため絶景です。利尻岳が遥か彼方に望めます。

■ピンネシリ温泉

美深、天塩川温泉など宗谷本線沿いには著名な温泉がずらりと並びますが旧天北線沿いには温泉が少なく、 おすすめなのはこのピンネシリ温泉だけです。 湯船自体はそんなに大きくありませんが、最近(平成6年)施設が新しくなったのでますます快適になりました。 敏音知岳に登って戻ってきたらここは目の前です。 登山の疲れを癒しましょう。

(日帰り温泉:310円、10時半〜21時)

■中頓別鍾乳洞

ミニミニの鍾乳洞やドリーネ、軍艦岩と呼ばれるシンボルの岩などが点在し小さな庭園を彷彿させます。 鍾乳洞は1、3、4洞が開放されていますが1洞以外は照明設備もなくライト、長靴等借りて入ることになります。

■知駒岳

雄大な展望が広がる紅葉の名所。 紅葉の時期は10月初め。

■ペッチャン川砂金掘り

ウソタンと同じく砂金掘りができるらしい。

(交通:音威子府-ス[バス35分]-敏音知-バス[バス20分]-弥生-バス[約20分]-浜頓別)


枝幸・歌登周辺

観光的要素が極めて少ない一帯でこの付近でゆったりできる行程を組める人はなかなかいないかもしれませんがホテルニュー幸林、グリーンパークホテルなどのお得な値段設定の公共の宿もあり、そこを拠点にディープな旅をしてみるのもいいのではないでしょうか。

公共交通機関は札幌、旭川からは都市間バスがありますが地域内の路線バスは脆弱です。車必須の地域といえるでしょう。

■北見神威岬

オホーツク海沿いは単調な海岸線が続きますがこの岬だけは山塊が海にせり出した斜内山道と呼ばれる険しい場所。国道は新道が造られその山塊をトンネルで抜けますが旧道も健在で岬には灯台へ登る道もあります。興浜北線の廃線跡も見つけることができます。カムイ岬公園は神威岬を望むことができる休憩スポット。

■ウスタイベ千畳岩

その名の通り畳を広げたような岩場が広がり磯遊びを楽しむことができます。

■オホーツクミュージアムえさし

平成11年開館の町にしては規模の大きい郷土資料館。オホーツク文化の竪穴式住居の復元展示がされています。無料エリアに子供ミュージアムもあり。

(入場料:300円、9時半〜17時)

■ホテルニュー幸林

普通の公共の温泉。カルシウム-ナトリウム-硫酸塩泉。

(日帰り温泉:500円、10時〜21時)

■三笠山展望閣

枝幸市街とオホーツク海を見下ろす展望台。

■うたのぼり健康回復村

歌登の一大レジャースポット。香りの丘ラベンダー園はラベンダー園では最北のもの。グリーンパークホテルは日帰り入浴もできます。入り口手前にふるさと館という郷土資料館もあり歌登の郷土史を学べますが館内はかなりカビくさかったです。

(グリーンパークホテル日帰り入浴:340円、9時半〜22時)

(ふるさと館入場料:300円)

■朝倉温泉

うたのぼり健康回復村の一角にある民宿系の温泉で案内板も途中になくたいへんわかりずらい。もともとこの温泉宿がありその後周りの町のレジャー施設が造られた雰囲気でした。温泉は赤褐色に濁った炭酸泉でアルミニウム、鉄を含有するすばらしいもの。歌登へ行ったら必ず寄りたい一湯で一度は是非行ってみましょう。この源泉は三河の八名温泉に極似。

(日帰り温泉:300円、12時〜21時)

■かみとく文化村

上徳志別小学校を利用したキャンプ場で残された校舎はいい雰囲気。近くの豊沃にあった小学校校舎は残念ながら朽ち果てています。

■本庫鉱山

林道をひたすら進んでいった果てにあった銅・鉛・亜鉛を産出した鉱山。今ではわずかに一棟残る建物と沈殿池が歴史を今に伝えます。

(交通:浜頓別-[バス45分]-枝幸-バス[バス25分]-歌登)



北海道旅情報巻頭  4-19.宗谷・北オホーツク
4-19-3.浜頓別・猿払