恵庭森林鉄道6号橋



恵庭森林鉄道は恵庭駅から漁川を遡っていた森林鉄道です。その起源は王子製紙の発電所建設にあり、昭和2年に一部が建設され、その後、昭和6年恵庭営林署が軌道を買収、漁川上流まで敷設されていきいました。昭和24年に恵庭駅から27.5kmの地点に高低差64.3mのインクラインが建設され、昭和25年に森林鉄道がさらに延長されたことも特筆される点と言えるでしょう。



えにわ湖漁川ダムに向かう道路をそれてしばらく行った場所に恵庭森林鉄道6号橋はありました。昭和12年に木橋からコンクリート橋に架け替えられた森の中に悠然と浮かび上がる橋梁です。



森林鉄道はナローなため幅員は狭く、途中に穴もあり、歩くことも一瞬躊躇しますが、片側にロープが整備されていたため比較的安心して渡ることができました。



橋を渡ると恵庭発電所の堰堤と建物がありました。ここで川の水をせき止め、隧道で発電所上にある水槽まで送り、その落差を利用して発電(建設当時の出力2,150kw)しています。かつてはここに社宅や詰所もあったとのことです。

強い雨に打たれながらの訪問となったため、残念ながら6号橋を側面から眺める気力はなく、ただ往復をするだけになってしまいました。道路からのルートも猛烈な笹藪であったため最短ルートから行くよりは下流から歩いてくるのがいいかもしれません。


参考文献 平成11年 北海道身近な歴史紀行 地蔵慶護 北海道新聞社



北海道旅情報巻頭  9.アラカルトレポート
恵庭森林鉄道6号橋