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チューリッヒは、リマト川が注ぐチューリッヒ湖畔のスイス第一の都市です。ツウィングリが説教をした大聖堂が湖面に壮麗な姿を映し、リトベルクなどの緩やかな丘陵が穏やかな風景にとけ込んでいます。この町にはワーグナーが住み、ブラームスが何度も訪れこの町のオーケストラを指揮した文化の町であることも忘れてはなりません。
宗教改革の嵐が収まり、人々は再び音楽の楽しみを求めるようになりました。聖歌の編纂を行っていた人々が中心になって音楽協会(コレギウム・ムジクム)が生まれ、十八世紀にはそれが主催する演奏会に富裕な市民が出かけるようになっていきます。この活動と結びついて、ネーゲリ等の合唱運動が高揚していったのですが、ネーゲリがベートーヴェンやモーツァルトといった音楽を出版し、スイスの人々の音楽的教養を高めていった結果、常設ではないものの、プロの器楽奏者がチューリッヒに集まるようになっていきます。 |
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