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スイスのアルバム

ツィナール編

 ツィナール、あるいはジナールはダンプランシェやツィナール・ロートホルン、グラクコルニエ、オーバーガーベルホルンなどへの有名な 登山基地です。故新田次郎氏の本でも取り上げられていることから、一九九六年に行ってみました。

 バス停に着いても、今は新田次郎氏の頃のように干し草の匂いが漂ってくることもありませんし、本の中で紹介されている写真とは随分違い、近代的にリゾートとして変化を遂げて来たことがわかります。
 しかし、少し谷奥に向かって歩けば、道が二手に分かれ、そこを左手に折れると、昔のまま の家並みがしばらく続きます。
 写真左はその道を少し行って、バス停の方に振り返ったものです。谷奥にはツィナールの象徴のような三角錐の山ベッソが聳えています。三六六八メートルということですから、我が富士の嶺とそう変わらない高さの山ですね。
 しかしこの山の奥にはツィナール・ロートホルンやヴァイスホルン、ビスホルンといった名だたる四千メートル峰が控えているのですからここがスイスでも有数の登山基地と言われるのも伊達ではないのです。

 写真右は、ベッソの朝焼けです。泊まったホテルはこの谷の一番奥にあり、ベッソに向かった部屋のベランダからいつもこの山を望めました。
 スイスで泊まったホテルの中でも、ミューレンのベルビューと共に最も居心地の良かった、素晴らしいホテルでした。
 早朝の散歩もまた、高地特有の清々しさの中大変楽しいもので、古い家並みの間を抜けて、村を一周するのが良かったですね。
 今年(一九九九年)もまた、ここを訪問しようと思っています。ホテルにかつて泊まった時の印象と、ベッソに向かったベランダ付きの部屋の確保をお願いしており、とても楽しみにしています。

 ロープウェイでソルボアに登ってみましょう。新田次郎氏が佐貫亦男氏と共にここを訪れた時には無かった乗り物です。まぁ、決して新田次郎氏には気に入られなかったことでしょうが…。
 写真右はそのロープウェイの中からツィナールの村を俯瞰したものです。下の大きな建物がバス停や観光局のあるところで、広い道が右の谷奥に向かって延びているのがわかりますね。途中から二手に分かれて上の方、歩いて行くと左手に折れて行くと昔の家がたくさんあります。そしてその先は大きな駐車場があって、新田次郎氏が訪れた山小屋の方に向かっていくのです。

 更に、ロープウェイで登って行くと、終点のソルボアのちょっと前に谷奥のオーバーガーベルホルンからの山稜の陰からマッターホルンの山頂部分が頭を覗かせているのに気が付きます。
 ちょっと意外なところで再会した友人のような気分になりますが、山頂についてしまうともう見えなくなってしまうので、ご用心。

 山頂のソルボアの眺めの良さは天下一品であります。ここからハイキングを開始するのも良し、レストランで豪華な景色を心ゆくまで堪能するのも良し、とまあ、何とも贅沢な悩みが待ちかまえています。
 写真右はソルボアからのヴァイスホルンであります。ツェルマットやグレッヒェンからの優美な姿とはまた違った荒々しい表情が印象的です。
 写真左は、そのヴァイスホルンを左にツィナール・ロートホルン、ベッソ、オーバーガーベルホルンというパノラマであります。

 歩いてのんびりツィナールの村まで下っても1時間とちょっとでしょうか。でも下りは登りよりも足、特に膝に来ますから、余裕をもって行動したいものです。
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