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スイスのアルバム

四森林州湖〜リュトリ編

 フィーアヴァルトシュテッター湖、訳すと四森林州湖は、別名ルツェルン湖とも呼ばれ、中央スイスの山並に囲まれた美しい湖です。
 ここは、ウリ、シュヴィーツ、ウンター・ヴァルデンというスイス原三州の人たちが、ハプスブルクの支配に対抗してリュトリというこの湖のほとりの野原で、スイス発祥の元となる連盟の誓いを行ったところとしても有名です。
 リュトリへは、ルツェルンから船で行きます。
 のどかな景色、よく澄み切った青い水、そこを行く白い船、スイスの赤い旗がひるがえり、風と共に水上を走ってゆく。
 船は時間によっては、豪華なランチ・クルーズも出来ますし、外で風にあたって行くのもまた、格別でありますから、お腹の具合と相談しながら、といった感じでしょうかねぇ。

 途中、ピラトゥスの山容が湖上に望めます。
(写真左)

 立ち寄る所は、あまり馴染みのないところばかりですが、ここは一度滞在してみたいものだと思う所ばかりで、日本のガイド・ブックがいかに偏って紹介しているか、驚きます。

 ルードウィッヒ王とワーグナー縁のブルンネンを過ぎてしばらく行くと、シラーの碑が湖上に建っています。するとまもなくリュトリに到着です。
 船着き場には、スイスの国旗。でもあっけないほど、何もありません。日本だったら、きっと何とか発祥の地とか、お土産屋さんがいくつかと、食堂やら喫茶などが、軒を連ねているでしょうねぇ。ちょっと羨ましくなります。
 適当に歩いて行くと、見晴らしの良い所に出ました。多分こちらだろうと、勘が頼りですから、心許ないハイキングです。
 この辺りまで来ると、ザンクト・ゴットハルト峠に近く、山々は険しさを増して来るようです。グラールス・アルプスも近いので、そこそこ高い嶺が木々の間から望めます。
 この道をそのまま進むと、古い食堂に出会います。原三州の連盟の調印が行われたところだそうですが、本当に七百年以上も前の建物なのでしょうか?
 古い建物ですが、木造ですからひょっとして建て直されたものかも知れません。
 原三州の旗とスイス国旗がひるがえっているので、ここだとわかる程度で、あまり宣伝しない態度が、商売っ気丸出しの国から来ると、とても美しく思ってしまいます。
 当然の事ながら、看板も出ていませんし、ここが三州の代表が調印した所だとは、出てしません。
 そして、そこからしばらく(ほんのしばらくですが)歩くと、原三州の人たちが集まったとされるリュトリの野原に着きます。

 清々しいほど何もありません。残念ながら国旗はひるがえっていませんでしたが、これがあるだけで、何組かの家族連れが、ピクニックしていました。

 スイス青少年の所有となるこの地は、碑も無ければ、看板もありません。しかし、スイスの人たちの精神に、七百年前の誓いの精神が受け継がれていることは間違いなさそうです。

 明るい、日差しが湖水に反射し、山々を紫色に霞をかけて、素晴らしい遠近感と、広がりを感じさせてくれます。

 写真左は、湖水を隔てたブルンネンの町を撮ったものです。のどかな風景の中に、強い誓いへの決意があったのです。それは、山岳州と呼ばれるこの地方の生活の厳しさにも負っているのでしょう。
 しかし、私たち旅行者にはひたすらのどかな風景にしか映らないことも事実です。もっと歴史を勉強しなきゃ!!
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