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スイスのアルバム

アローラ編

 アローラはシオンからバスで南へ一時間あまり谷を登った先の、モン・コロンの押し出す氷河の鼻に引っかかったような、小さな最奥の村です。
 日本のガイド・ブックにドカドカと書かれることはありませんが、尊敬する犬養道子女史の「私のスイス」の中で触れられていて、ぜひ一度行ってみたいものだと思い、訪れてみました。
 写真左はそのアローラの郵便局の前です。ホテルが二軒、下の氷河から流れ出る川縁にもう一軒あるだけで、小さな売店があってもう終わりです。
 写真右は、その中の一軒、その名も氷河ホテルで、ここに二泊しました。ここのラクレットはほんとに美味しかったですよ。
 朝、モン・コロンと並んで印象的なピンニュ・ダ・ローラの赤く染まる様子が素晴らしいものでありました。
 三七九六メートルの山稜は写真のように極めて均斉のとれた魅惑的な姿をしています。一八八九年の初登攀といいますから、スイス・アルプスの中では少々遅い初登攀となった山です。
 モン・コロン三六三七メートルの初登攀はその一年後の一八九〇年ですから、四千メートル峰で無いため、少し遅れたのではないでしょうか?
 アローラと言えば、一帯にある松の木をアローラと呼んだそうですが、このモン・コロンがそのアローラの象徴とでも言うべき、大変印象深い存在であることは間違いないでしょう。
 少しピンニュ・ダ・ローラ(アローラ峰とでもいうのでしょうか?)の方に歩いて行ってみました。
 あたりには別荘らしき建物がたくさんあり、おそらく、犬養道子女史の来た頃からは随分変わって来ているだろうと思いましたが、アローラ松の林は、昔のままであろうと思われます。林に入るともう一軒ホテルらしき建物がありました。バス停からはちょっと歩きますが、更に静かでいいでしょうね。
 松の林の中を歩いていると、黒々とした林の中に大きな松の枯れ木が立っていました。あまりに堂々としているので、ちょっと写真に撮って来たのですが、どうでしょう?
 明るい開けたところに出てくると、避難小屋らしき所からピンニュ・ダ・ローラの押し出す氷河も見えて来ました。
 更に、氷河の方に行くと、恐らくモン・コロンを最も美しく眺められるポイントに立つことが出来ます。

 更に登って行くと、氷河の先端部分にまで達します。

 ここまで来て、谷の対岸を見ると、D.te Veisivi (3418mm)からD.te Perroc(3676mm)、更に印象域な針峰Aig.de la Tsa(3668mm)といったモンブラン山群のような針峰群が、実に壮大な山脈を形作っていることに気づきます。写真下はその中の針峰Aig.de la Tsaであります。

 更に、その山群全体のパノラマが下の写真であります。こうやって見ると、アローラがガイド・ブックからごっそり抜け落ちているのが不可解と思うのですが、ヴァレー州と言えばマッターホルンだけというのはちょっと寂しくないですか?
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