しかし、そのおかげで、随分親しみやすいメロディーと響きの作品で、チャイコフスキーの新しいバレエと言われても信じてしまいそうな作品です。
あらすじは、冬のスイス、山奥を行く幼い子供をつれた母親が吹雪の中、雪女に出会う。雪女は子供に口づけを与える。やがて青年となった子供はフィアンセと村祭りに行ったりするが、水車小屋で多くの人の祝福を受けて結婚の準備をしている最中、フィアンセに化けた雪女が来て、青年をさらっていく。雪女は、「宿命の口づけ」を青年に与え、永遠に雪の世界へ青年を連れていく。
まぁこんな感じです。
はて、日本にも同じような話があったような気がしますが、こういう話は、世界各国にあるようですね。まぁ南の暖かい島にはないでしょうが。
ついでにシンデレラなどの童話も世界中によく似た話があるそうですね。これもきっとそういう話の一つなんでしょうね。
村祭りではスイス舞曲なる音楽がありますが、元がチャイコフスキーであるせいでしょうか、どこをどう聞いてもやっぱりロシアなんですね、これが。そして、よく聞いていると、リズムの使い方や、オーケストラの楽器の扱いが、やっぱりストラビンスキーという感じで、個性の足跡はしっかりそこにあります。
ストラビンスキーは随分この作品が気に入っていたようで、組曲などにも編曲しています。が、この曲を作った頃にはもうスイスを離れていたようです。
演奏は、色々出ていますが、ストラビンスキーがロシア革命を逃れスイスに滞在していた時に何かと世話になり、多くの作品を初演したスイスの音楽界の大立者、スイス・ロマンド管弦楽団の創立者のエルネスト・アンセルメの演奏はいかがでしょうか。
これぞまさしくスイスづくし? |
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