シェックの歌曲について |
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スイスの作曲家、シェックの作品の最も重要なジャンルは歌曲であります。かつてフィッシャー=ディスカウのレコードでシェックの歌曲集があったのですが、買いそびれ今も悔しく思っています。再発されないかなぁー。 ところで、スイスJecklinレーベルから、歌曲全集がでていますが、現在所持しているのはVol.1とVol.2で、比較的若い頃の作品が中心でありますが、Vol.1のクリスティーヌ・シェーファーというソプラノもまずまずですし、ピアノの音がやや硬質で、抑揚に欠ける気がしないではありませんが、レーガーの心をとらえた才気に満ちた、インスピレーションにあふれた若いシェックの作品が楽しめます。 シューマン、ブラームス以後のドイツ語の歌曲の重要な作曲家として、第一にオトマール・シェックが挙がる理由がよくわかります。 他にはデンオン・レーベルから「ノットゥルノ」と「山歩き」(DENON/COCQ-83015)が出ています。これは国内盤で、日本語の対訳から詳しい解説までついていて、シェック入門としてはいいCDであります。 「ノットゥルノ」は弦楽四重奏曲にバリトンの独唱がついているという感じの曲で、ちょうどシェーンベルクやストラヴィンスキーらのモダニズムの華やかな時代の狭間で、どう自分の語法に折り合いをつけるかというところで悩んで作ったんだなぁ、と他人事とは思えない問題意識の存在を突きつけられるような作品です。 ピアノ伴奏(日本でもお馴染みのドイチュ教授)の歌曲集「山歩き」は更に一般的な意味で、聞き易い作品です。 独唱も見事で、その意味でもこれは最近出たシェックのCDの中でも、最も注目して良い演奏であると思います。 更に、レーナウとアイヒェンドルフの詩に付けたバリトンとオーケストラのための「エレジー」はいかがでしょうか?独CPOレーベルから出ていて、今のところ輸入盤しかありませんが、アンドレアス・シュミットのバリトンもいいですし、ウェルナー・アンドレアス・アルベルトの指揮するムジークコレギウム・ヴィンタートゥーアの演奏も、ほぼ満足できる出来です。 |
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