このコーナーは、素性のわからないカメラ達を紹介していきたいと思っています。
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第三回
アイレスバイカウントF2、8
(セイコーシャS付き)

(謎のアイレス)

今回は、アイレスのバイカウントF2、8に関しての謎です。何が謎かといいますと見た感じでは何一つ普通の様に見えますがシャッターが普通はセイコーシャSLV(B、1〜1/500)なのですがこのカメラに関してはセイコーシャの簡易シャッターセイコーシャS(B、1/10〜1/300)というシャッターが載せられています。アイレス自体シャッターは一貫してセイコーシャのシャッターが載せられています。ただこのカメラがどのような経緯で販売されたのかがまったくもって不明です。当時の雑誌(国内、海外)を見てもこのようなカメラは発見出来ませんでした。実はこのカメラはアメリカから手に入れたものでとりあえずアメリカ輸出使用ではないかと考えられます。ただバイカウントの特徴であるゴールデンフレームファインダーが搭載されておらずにセイコーシャSシャッターの為、もう1つの特徴であるLVシステムではないことがあります。ただここまで簡略化をして特徴のないカメラを販売するとは考えずらいものがあります。後、外見的に正面のVISCOUNTのプレートが国内販売のものとは違うデザインになっています。問題のセイコーシャSシャッターに関してもセイコーシャッターの製造年表を見てもバイカウントに付けられた形跡がありませんでした。果たしてこのシャッター自体どこからの流用品なのかも不明です。アイレスではこのような簡易シャッターを使っているものは販売されていないので他社のカメラの流用部品または、小ロットでセイコーシャで作られ製造年表にすら載らなかったのかもしれません。ただ構造的に見ても後から改造されたカメラでは無いことが明らかに見てわかります。私の考えではアイレス倒産後に大沢商会と服部時計と2個所の問屋からこのカメラが販売されています。倒産しているので仕掛け部品が残ってしまいそこからこのようなシャッターをつけたものが少量販売されたのか?各問屋でアメリカのメーカーまたは問屋から簡易シャッターモデルの依頼があったのでこのカメラが販売されたのかのどちらかに思われます。ただ広告がまったく皆無なので私の予想では前者の仕掛け部品処理の為に簡易シャッターをつけ輸出用に販売されたように思われます。