第33回 YASHICA 35EEの分解

(故障内容)シャッターが切れない、ファインダーの清掃
(故障原因)シャッターは、シャッター内部の部品の変形


作業時間約2時間

今回は、ひさしぶりに普通のレンジファインダー機でいきたいと思います。ヤシカの昔の高級機35EEに分解です。ヤシカ初のEEカメラです。
写真1は、トップカバーを開けたところです。メーターブロックが高い為、全体に大きくなってしまったことが内部構造から読み取れます。
写真2はメーターブロックの拡大写真です。非常に大きいメーターです。構造的には非常にシンプルな構造になっていますが部品の作りは非常にしっかりしています。ファインダー上部に別窓を設けてメーター針が見えるような構造になっているのが特徴です。その像は虚像を作らずに直接メーター針を見せる構造になっていることがわかります。
写真3は、ファインダーブロックを後方から見たところです。各部品は大柄ですが非常にきれいに作られています。
写真4は、コパルシャッターの内部です。ここでコパルシャッターが壊れやすい部分を紹介したいと思います。まず赤丸で囲んであるチャージキーです。この部分が回転してシャッターをチャージします。裏面が十字状になっていて本体と接合するのですがこの部分の十字の部分の部品が折れてしまうことが多いです。こうなると非常に修理が難しいと思います。次に緑丸で囲われた部分がセルフタイマーのタイミングを取る部品です。普段は切り抜きの部分にシャッター羽根にリンクする板状なものが動くのですがセルフタイマーをかけるとその板状のものが押さえられタイミングをとる構造になっています。この部分が変形してシャッターが切れなくなっていることが多々あります。まずコパルシャッターはここを見ることが大切です。よくジャンク品を見るとすぐにセルフタイマーを動かす人がいますが決して行ってはいけない行為です。この構造を見れば一目瞭然です。かえって故障を悪化させてしまいます。まずセルフタイマー部に注油した後にギア解除キーを押しながら少しずつセルフタイマーを戻してあげる必要があります。先ほどの板状の部品が変形していましたらまっすぐにする必要もあります。
写真5は、鏡胴ブロックを外したところです。ここいらにも高級機の香りがします。非常にギア、スプリングが多様されています。
写真6は上部から見たところです。いかにメーターブロックが大きく場所ととっているかが一目瞭然であると思います。
このころのヤシカのカメラはカメラはいかに高い買い物であったかがはっきりわかるカメラです。非常に全ての部品、構造がしっかりしていて壊れづらく直しやすいと思います。今のカメラメーカーにも見習って頂きたいものです。(カメラは消耗品ではないことを)