第37回 WELMY35-M3の分解

(故障内容)シャッターが切れない、ファインダーの清掃
(故障原因)シャッターボタンリンクの部品の変形


作業時間約2時間

今回は、これこそ機械と言う外観を持ったウェルミー35M3の分解です。外見の写真を取り忘れたのですがコンタックスっぽいギアによる焦点調節や前玉回転式の距離計連動システムの構造のおもしろさなど個性の強いカメラです。このカメラは大成光機というメーカーで作られたカメラで庶民向け低価格を作り続けました。大成光機のカメラは低価格の割には非常に良く作られているものが多いと思います。
写真1は、チャージ、シャッターボタンのリンクです。緑矢印の方向にシャッターチャージ部品が動きシャッターをチャージします。赤矢印はシャッターボタンのリンクになります。今回の故障の原因はこの部品が経年劣化の為、変形していた為、シャッターが切れませんでした。
写真2は、ファインダー回りの構造です。黄色味の強い距離計像になっています。緑矢印の部分がフィルムカウンターになります。フィルムカウンターを動かす構造は非常にうまく作られています。
写真3はトップカバーを開けて上部から見たところです。部品数も最小限で効率良く作られていることがわかります。緑矢印はシャッターチャージの動きをあらわしています。
写真4は、このカメラの内部構造の特徴でもある前玉回転式における距離計の連動部です。緑丸部分が左右に動き距離計像を動かします。良くあるシャッター内部にピンを通して距離計を動かすタイプより構造的には良いのではないかと思います。先端にはボールベアリングがついており非常にスムーズに距離像を動かします。
写真5は、シャッター内部です。少々貧弱なシャッターが付いています。セルフタイマーが無い為半分くらいの開きがあります。
このカメラを見ると設計者の知恵と努力の後が十分ほどわかります。今現在のAFカメラに見習ってもらいたいぐらいです。余計な機能は必要ないということです。私個人としては、ニコンFMからカメラを使いはじめたのでいまだにマニュアルオンリーです。だからオート付きのカメラがあってもつかったことがありません。最近は露出計を持たずに勘で露出をとっているものでリバーサルで失敗することも多々あります。やはりこの時代の機械カメラはいいですね!!