第20回 WALZFLEXの分解

(故障内容)ヘリコイド不良、シャッター不良、完全オーバーホール
(故障原因)グリスの固着、シャッターチャージ部品の変形、各部品の完全オーバーホール


作業時間約6時間

今回は、かなり状態の悪かったワルツフレックスの分解です。ヘリコイド部が完全に固着しており完全なオーバーホールをおこないました。写真ではサイド部の分解を取り忘れた為、正面部のみになっています。写真1は、ダルマ状のカバーを外したところです。ダルマ状のカバーを外す為には、革バリを全て剥がす必要があります。ダルマ状のカバーは4本のネジでとまっています。写真2は、シャッター内部をみたところです。チャージ部の部品の変形を直してシャッターが切れるようになりました。赤丸部分はシャッターボタンへのリンクのプレートです。
写真3は、レンズボードを本体から外したところです。2眼レフでは、このようにレンズボード構造になっているものが多数です、レンズボードは4本のネジでとまっています。写真4は、レンズボードを外した本体です。内部の赤線の部分にヘリコイド調節用のバーが入っています。この部分のグリースの固着によりヘリコイドが動かなくなっていました。この部分を完全に分解して清掃、注油、グリースアップを行い再度組み込みをおこないました。緑丸部分がヘリコイドを前後移動させる部品です。
写真5は、各部品です。1は本体、2はビュー前群レンズ、3は撮影前群レンズ、4はレンズボード、5は絞り、セルフレバー、6は本体前ボード、7はシャッターダルマ状カバーです。
写真6は、レンズボード構成部品です。1はシャッターリングカバー、2はシャッターリング止め用リング、3はシャッター調速リング、4はレンズボード本体、5は絞り、セルフレバー、6はシャッターダルマ状カバーです。
実際は、各部品を完全に分解したのち、清掃、注油、調整などをおこないくみ上げました。オーバーホールは、非常に時間がかかるものだと痛感しました。