第45回 サモカ35Vの分
(構造的に素晴らしいカメラ)

レストアしていてここまで構造的に組み立てやすく製造もしやすいカメラは初めて見ました。設計者の素晴らしさを感じるカメラです。何が凄いかといいますと各部品が完全ブロック化されておりパートのおばちゃんでも簡単にくみ上げが可能なところと巻きとめ装置の非常に簡単な構造なのにしっかりと機能するところが凄いと思いました。
本体とシャッターブロックとの接続は正面にある4本のネジで固定してあります。巻き止め機能は軍艦部内部にあるのでリンクを取る必要はないわけです。シャッターに関してもシャッターボタンはシャッターブロックにあるのでまったく独立しているわけです。ボディは金属ではなくベークライトで作られています。 こちらがシャッターブロックです。このように完全独立されているのでほとんどの機能はここに集約されているわけです。なのでまずボディとシャッターブロックの取り付けは超初心者であっても取り付けることが可能になっています。後ヘリコイドのロックには左にあるネジに単純に引っ掛けるだけになっています。
シャッターブロック裏面を見てみます。基本的にはエバーセットシャッターの構造になっています。そうそう4本のネジの一本にチャージ用のスプリングをかけてあります。左の円盤の位置でシャッター速を決めその上の弓形のレバーへリンクされています。右の円盤でシャッターを開閉します。 レンズブロックを見て見ましょう。ここも完全独立されており絞りはねはレンズ内にあります。一眼レフで言えば交換レンズと同じ構造ですね。ヘリコイドは非常にネジのピッチは大きくネジ山は少ないです。そのことにより小さな回転角でレンズ焦点を調節しています。
トップカバーを外してみました。これが少々やっかいです。解除レバーは隙間からうまく外してあげないと巻きとめ装置が全て変形してしまいますので。中央の円盤の溝にまき止めをリンクしているバーが挟まると巻き上げのロックがかかります。チャージボタンを押すことにより溝からリンクバーがはずれ巻上げが可能になります。巻き止め機能はパーコレーション穴にリンクしているので巻き上げ機能は必要ないわけです。ここの構造も素晴らしいと思います。 ということでブロック化されている部品は、ボディ本体、レンズブロック、ヘリコイドリング、シャッターブロックしかありません。各部品に対しても非常に簡単な構造なので製造も非常に簡単になっています。あと1つ1つの部品に全て大切な役割を与えているところが素晴らしいと思います。ここまで簡単な構造でここまで機能を持たせた設計者は凄いと私は思います。