第36回 リコーの兄弟機2台の分解

(故障内容)2台ともメーター不良
(故障原因)セレンの劣化、メーター芯のずれ


作業時間約4時間

RICOH AUTO 35V RICOHMATIC 35(輸出専用機)
今回は、リコーの名機?のリコーオート35Vと輸出用機であるリコーマチック35の2台の分解比較をしてみたいと思います。やはり特徴的なのはリコーマチック35の方には距離計が付いているということです。私も目測が苦手なもので特にオート35Vに距離計があればなぁとか思っていた一人でした。なぜ国内販売しなかったのかが不思議でしょうがありません。やはりリコーオート35シリーズは初心者を意識したため国内では販売しなかったのではないかと思われます。内部構造にいきたいと思います。
写真1は、35Vの方のファインダー回りです。リコーマチックに比べて若干複雑になっているように思えます。このカメラの特徴であるファインダー内の絵柄を動かすために少しばかり複雑になっています。写真2のリコーマチック35の方は普通通りの連動距離計構造になっています。私が思うにはこの構造の方が作りやすいのではないかと思います。いかにリコーがファインダー内の絵柄をこのカメラの特徴に出したのかがわかります。写真3、4は両機の底部の構造になります。やはり兄弟機である為、まったく同じ構造になっていました。しかし底部のチャージバック用のスプリングの太さ、テンションの強さにはびっくりします。こうみると部品数も少なく非常に効率的に作られていることがわかります。写真5、6は両機のメーター回りの構造になります。ここもまったく同じものでした。葉っぱを半分に切ったようなくわえ込み部が特徴になったいます。非常に構造的に簡単になっていてシーソーの原理のようなもので絞り値を決めるようになったいます。ただメーター自体大柄なのですがこのメーターの作りは弱い様に思えます。特にメーター芯を押さえてある部分がちょっとのショックでずれてしまうように思えます。写真6の赤丸はリコーマチック35のシンボルである距離計窓です。やはりこの時代のリコーである証拠のダイヤ型をしています。
あとレンズ内の構造は非常におもしろいので一度分解してみてはいかがですか?(写真を取り忘れてしまったのでごめんなさい。)
最終的にはセレンが完全に死んでしまっていたのでオート35Vはマニュアル専用機になってしまいました。リコーマチック35の方はメーター芯がずれていたのでメーターが動かなくなっていたのですがここを修理して完了しました。このカメラは非常にうまく作られた名機であると私は思います。