第26回 MUSEFLEX(MODEL-M)の分解

(故障内容)シャッターが切れない、ピントフード故障
(故障原因)シャッターは、シャッター幕の張り付き、油切れ。


作業時間約2時間

今回は、ボルタ版の2眼レフのミューズフレックスの分解です。ボルタ版というとおもちゃのイメージが強いのですが、かえってカメラの原点を見たようで楽しいカメラです。カメラが高級であった時代のこれこそ本当のファミリーカメラであったような気がします。
いつもと違い分解を終わったところから始めたいと思います。写真1は、部品の構成写真です。これだけの部品しかありません。1はピント用すりガラス、2はシャッターユニット、3はネームプレートとネジ、4はミラー、5はレンズ込みの正面カバー、6は、本体ブロック、7はピントフードと裏カバーとこんな感じになっています
写真2は、シャッターユニットです。今回のトラブルの原因は、赤矢印部分の油切れによってシャッター羽の動きが固まってしまった為、シャッターが切れませんでした。このシャッターをスプリング一本で羽を動かしているのでトルクが弱くなってしまうので少しの錆や油切れでシャッターがとまってしまうというわけです。
写真3は、正面カバーを裏から見たところです。赤矢印が絞りの羽になります。3段階の絞り調節が可能になっています。緑矢印はシャッター速度調節ようのプレートになっています。このカメラは1/50,1/25,Bの3種類のシャッター速を持っています。当然ながらこの構造では正確であるはずがありませんけど。
写真4は、カメラのメインブロックになります。赤矢印の部分に反射用のミラーが付きます。写真5は、ネームプレートとネジ一式です。唯一高級感のある部品といえばこのネームプレートだけに思えます。ネジも12本でくみ上げています。
写真6は、ピントフードを裏からみたところです。マスク部分が板バネの役割をしてピント用のすりガラスを固定していました。なかなか良い構造であると思います。
最後に非常に簡単なカメラですがかえってカメラの基本を見せてけられ非常に分解をしていても楽しかったカメラでした。なぜ2眼レフにする必要があったのかがわからないカメラでもありますけど。単玉なのでどんな写りをするかが非常に楽しみでもあります。そのためには、ボルタ版のフィルムを作らなければいけないのですが。