第24回 FUJICA HALFの分解

(故障内容)シャッターが切れない、巻き上げができない
(故障原因)シャッター、巻き上げリンク部の錆による固着


作業時間約2時間

今回は、フジカの名機であるフジカハーフの分解です。若干いつもより細かくいきたいと思います。まず正面の皮バリを剥がします。そうすると写真1の状態になります。赤丸部分のネジ4つを外しますと正面のカバーが外れます。よくキャノンデミなどでいわれているモナカ状の構造をこのカメラもしています。次にシャッター内の分解です。まずレンズのネームプレートを外します。ここは、接着剤で付いているだけなので針のようなものを用いて静かに持ち上げます。外しますと写真2の状態になります。
写真2の赤丸部分のネジを外します。
次に写真3の赤丸部分のシャッター調速プレートを止めているリングを外します。外しますと写真4の状態になり各シャッター内部品に注油が可能になります。最低でもここまでばらしてあげないとシャッター内の注油は出来ません。よくシャッターの隙間から注油する人もいますが部品の肝心な部分に注油されずに、おまけに注油か多くなってしまう為、かえってシャッターの調子が悪くなることが多いです。
写真4の赤矢印は、シャッターチャージレバーになります。
次にトップカバーを外していきます。キャノンデミよりセルフタイマーがある為少々やっかいです。まず巻き上げレバーと巻き戻しクランクを外します。そうすると写真5の状態になります。次にセルフタイマーの中にあるリングを外してカニ目でセルフ自体を回すと写真6のようにセルフ部品が外れます。
次に感度調節のレバー内の貼り皮を剥がすと2つのネジがありますのでそのネジを外すと写真7のように感度調節レバーが外れます。あとは左右の4つのネジを外しますとやっとトップカバーが外れます。この構造はフジカコンパクト35シリーズも基本的 に同じです。
写真8は内部構造になります。緑矢印部分はメーターくわえ込み部になりメーター針が振れることによりシャッターを押すことによりくわえ込まれ絞り値が決定するという構造になっています。赤丸部分はメーターになります。
写真9は内部構造を後面からみたところです。赤丸部分はセルフタイマー機械部で小さなカメラの割には大きな面積を占めています。ここまで大きなパーツを組み込む必要があったほどにセルフタイマーの価値があったと思われます。緑矢印は豪勢にプリズムが使用されています。
写真10は裏面を分解したところです。このカメラのフィルムカウンターは底部にある為、非常に凝った構造になっています。赤丸部分がフィルムカウンター部です。小さなスペースにぎっちりと詰め込まれた各部品の配置は芸術的に私は思います。