第15回 WESTER AUTOROLの分解

(故障内容)スローシャッター不良、ファインダー縦ずれ
(故障原因)ガバナー部の油切れ、距離計調整、変形部品の調整


作業時間約3時間

今回は、前回と同様に蛇腹カメラの分解をします。前回と違うところは距離計連動型のウェスターオートロールです。まず写真1の緑丸部分はこのカメラの売りである自動巻き止め装置です。構造は簡単で赤矢印方向にピンを動かすとギアの切り抜き部に入った解除レバーが外れるというだけなものです。マミヤ6系のカメラも同様な自動巻き止め装置をもっています。
写真2の緑丸はなぞのファインダー穴です。このカメラは1眼式なんですがどうやら旧タイプのカメラのファインダーブロックを流用している為2眼のファインダー穴があると思われます。
写真3は、トップカバーをあけた上部から撮影したものです。この時代のカメラは部品数も少ないのですが1つ1つの部品のしっかりと役割があるので分解は非常にしやすいです。
写真4は、シャッターカバーを外したところです。非常にシンプルなシャッターなんですが部品1つ1つの精度は低い様に思われます。部品成形も雑な部分が多く見られます。
写真5は、セルフタイマーブロックです。シャッター内の面積の約3分の1をしめています。ここまでしてセルフタイマーをいれなければならなかった時代背景を感じます。
写真6はスローガバナーブロックです。ここもかなり部品精度も低くかなり調整に苦労がかかりました。赤矢印方向にチャージがかかります。