第47回  アイレスVCの分
(ライカVCフェイスの憎いやつ(笑))

今回は、ライカVCフェイスで人気のあるアイレスVCの分解です。構造的にはアイレスらしく部品のブロック化が進んでいるので非常にきれいに各パーツに分解されてくれます。ただ一部負荷のかかる部分の部品材質が悪いことがありますのでその点は購入時に注意したほうが良いかもしれませんね。
まずはトップカバーとシャッターを外したところです。非常に複雑に見えますがブロック化構造をしているのでシンプルに分解が出来ます。ただアイレスの特徴でもあるリベットで止めてある部分があるのでこの部分は基本的に分解不可能であると思っても間違いないです。 レンジファインダー部を取った後部からです。いかにレンジファインダー部に大きな面積を取っているかが一目瞭然です。中心部の丸部品がヘリコイドとレンジファインダーのリンク部分になります。左の長い棒のようなものがフィルム確認用のくるくる回るものになります。
シャッターを外したところです。このカメラのここが一番のネックになると思います。コンパータイプのセイコーシャシャッターを左下部のギアの回転によりチャージをするシステムになっています。テンションの非常のきついシャッターであるためここでのギアずれが発生しやすいです。ここがずれてしまうとチャージ不良になってしまいますので。あと左部分の鍵状のシャッターボタンへのリンク部品が非常に粗末に作られていることがわかります。アイレスお得意のリベット止めですし。 フィルムカウンター部、巻き上げ機能を見て見ましょう。この写真を見てピピ〜〜ンと来た人はすごいです。実はアイレスペンタ35とほぼ同様な部品が使われています。正面の2重露光とリワインドの部品が付加されているだけです。実はこの部分の故障のアイレスペンタ35に部品提供をしたらきれいにはまってくれました。この時代でブロック化共通部品は少ないので非常にこの点ではアイレスは優れたメーカーだったと思います。
さてこれが非常に大きなレンジファインダー部分です。非常に丁寧に作られているのでほとんど故障はないと思われます。ここまでしっかり作ってあるレンジファインダーは他には見たことがないくらいですから。 レンジファインダー裏面を見てみます。なんか紐がありますね。これがパララックス補正機能へのリンクになります。この部分の構造もあまり類をみない構造になっています。レンジファインダー部分の注油は裏面からおこなったほうが良いです。