−残暑特別企画−
ハセガワくん : hasegawa.keiichi@takenaka.co.jpでは、原文です。ご覧ください。
夜半も近くなると
通勤電車の中は徐々に騒がしくなる
酒臭い息を吐き
時には胃の中のものをぶちまけ
若いころにはあんなにも整然としていた自分ってものを
ぐちゃぐちゃにした会社員たちが群れてくる
まわりが自分とおんなじにぐちゃぐちゃで
明日を忘れたいがために酒をのみ
傷もないのに傷ついた顔をして
泣いたりなんかしていることに
ほんの安らぎを感じたりしている
家には口もきいてくれない子供と女
あいつと恋をしたのはいつだったろう
それとも恋をしたんだろうか
十年も前から何も感じちゃいない
自分が向かうのはただのコンクリートの壁の中
一人で眠る檻の中
一時間も乗れば電車の座席も空いて
どこからか吹いてくる寒い風
あと2駅でいつも降りる駅
降りずにすむなら少しは幸せになれるだろうか
以下、その変化です。