請負契約の形式でJR西日本吹田工場内にあいて車両の入れ換え及び誘導業務を行っていた全大阪金属大誠電機分会・組合員が1999年9月末で仕事を打ち切られ、全員解雇となります。しかし、実態は以下の資料・ビラ等にあるように職安法第44条違反であり、JRへの直接雇用を求めて職安に是正を申告しています。吹田労連と全大阪金属が中心となって支援共闘会議を結成して闘いを広げることになりました。
8月31日の支援集会には、吹田を中心に労働者や市民が約130名も参加しました。
私は、「派遣法の大改悪と大誠電機争議の意義」と題して、法的な問題点を中心に話しました。
派遣法改定論議のなかで、偽装請負に対する取り締まりが国会での問題になりました。安全にかかわる作業を担当する労働者が、職業安定法違反の疑いの強い状況で、不安定な雇用や差別的な労働条件に置かれていることを含めて、JRの社会的・法的責任が問われていると思います。
私たちが編集した『がんばってよかった 派遣から正社員へ』(かもがわ出版、1995年)でも、職業安定法第44条違反の下請け形式での労働者が派遣先に直用された事例(暁明館病院事件)を紹介しています。
1999.8.
8.31 JRへの雇用を求める
みなさん JRへの直接雇用を求める大誠電機争議へのご支援をお願いいたします
JR吹田工場で働く大誠電機の労働者(全大阪金属座薬労組・大誠電機工業分会の組合員)たちは、職安にJRの職安法運慶の是正申告をしたことや労働組合活動をしたことによって、本来の雇用主であるJR西日本によって9月末で解雇されようこしています。 そこで、関係者・団体が相談して、「JRへの直接雇用を求める大誠電機争議支援共闘会議」(仮名)を結成することにいたしました。
結成総会の日時・場所
連絡先
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吹田市民の皆さん、働く仲間のみなさん。
国民の安全輸送といつ社会的な使命を担っているはずのJR西日本でのあいつぐコンクリート落下事件に驚きと不安をいだいたばかりですが、今度は、職場の下請労働者やその労働組合に対してもJRの驚くべき法律違反の実態が発覚しました。 職安法四四条違反の「労働者供給」の実態が明白 JR吹田工場の中での車両の入換・誘導業務という仕事は、工場で行う車両の修理・検査作業全般の土台ともいうべき非常に重要な仕事であり、危険で過酷な労働でもあります。実はこの業務を担って働いているのは、大誠電機工業(本社:大阪市東住吉区)という下請会社の労働者です。もともとはJRが直接行っていたこの業務を、「業務委託」契約を装って大誠電機工業から提供された労働者を使って、JRが行っているのです。「業務委託」といっても、実態は「人貸し業」にすぎません。提供された労働者に対して、JRが適性検査を行って作業資格を与え、JRによる指揮命令・監督の下で、出・退勤時間、超勤や休日出勤の命令、作業に必要な一切の道具・機材・機器の貸与など、JR吹田工場の作業行程に必要不可欠なものとして完全にJRの作業秩序に組込まれて遂行されております。つまり、大誠電機工業は単なる「人貸し」をしているに過ぎず、JRは職安法第四四条が禁止している「供給された労働者」を自らの指揮命令の下に労働させているのです。 労働組合が是正申告書を提出
七月二三日、全大阪金属産業労働組合・大誠電機工業分会の組合員は、大阪港職業安定所に対して、JR西日本と大誠電機工業を被申告者とする「職安法四四条違反の是正を求める申告書」を提出し、受理されました。受理した職安の担当者の方も、「単に労働力の提供だけという恐れが十分ある。早急に実態調査に入る」と約束されました。職安法第四四条違反を直ちに是正し、JRの従業員として正しく取り扱うことを求める闘いが今始まっています。 労働組合への不当な攻撃は許されない 大誠電機工業分会の組合員がこうした闘いに立ち上がったのには、理由があります。
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1999/09/04 連合通信: 「JR西日本は直接雇用を」/違法派遣の是正を要求 下請・大誠電機の労働者 JR西日本の下請として大阪・吹田工場で車両入換・誘導の作業をしている労働者たちが「長期にわたる職安法違反を是正し、JR社員として扱う」よう求め取り組みを強めている。 労働者たちは大誠電機工業に所属し、JRの吹田工場で9年以上働いている。もともと同社はJR西日本の下請で車両・部品を修理してきたが、83年ごろから吹田工場での車両入換・誘導作業に「請負」として1年契約の労働者を送り出すようになった。元はJR社員が行っていた作業だが、今では大誠電機の労働者だけでこなしている。 彼らは昨年、全大阪金属産業労組大誠電機分会(6人)を結成した。 6人はJRの適正検査に合格、その指示・監督に従い、機械や道具も貸与されるなど実態は派遣であり、職安法44条(労働者供給事業の禁止)に違反していることが分かったため、JR社員として直接雇用するよう求めている。 分会メンバーは7月、違法の是正を職安に申告。同月にJR西日本に交渉を申し入れたが、JRは交渉を拒否した上、大誠電機に圧力をかけ、申し入れに行った役員を処分させた。そのため組合側は8月に地労委に救済を申し立てた。 勤続9年の分会長(40)は「6人は吹田での仕事のためだけに雇われた。大誠の工場は仕事したことがない」と語る。 JR側は大誠との「請負」契約を今年9月末で打ち切ると通告してきた。違法請負の解消にはなるが、6人の雇用が心配される。このため組合は、9月末までにJRの直接雇用を実現しようと力を入れている。 このたたかいを支援しようと8月31日、全大阪金属労組や吹田労連が中心になり「JRへの直接雇用を求める大誠電機争議支援共闘会議」を結成した。 「連合通信・隔日版」 |