お願い 派遣登録個人情報流出問題についてのご意見などをお寄せください 1998年1月28日、マスコミ各社は、派遣社員のランク付き名簿九万人分が流出したと報じました。 |
【注1】連合通信1998年2月21日によれば、派遣労働ネットワークの労働省への申し入れについて報じています。
「テンプスタッフ」(東京都渋谷区)に登録している女性九万人分の個人情報が「容姿ランク付き」としてホームページ上で販売されていた事件で、弁護士や労組でつくる派遣労働ネットワーク(代表・中野麻美弁護士)は2月19日、派遣労働者の権利確保をあらためて労働省に要請した。」 「一月末の新聞報道以来、同ネットには派遣労働者から「一人暮らしなのでこわい」といった声や、不審者が自宅近くをうろついていたなどの相談が、これまでに六十件ほど寄せられている。
派遣ネットは今回の事件を、(1)プライバシーの問題(2)技能や経験と関係のない評価がされていた(3)本人がその情報を知りえないことが問題だと指摘し、人権の観点から企業の情報の取り方をチェックし、従業員に情報を開示するよう行政指導すべきだとして、改正予定の労働者派遣法でもプライバシーの保護を強化するよう求めた。
労働省は、テンプスタッフに対してはデータ管理をしっかりするようにとの要請文書、人材派遣協会にも注意を喚起する文書を出したが、企業へのそれ以上の管理や指導は難しいとの態度だった。
【注2】1997年6月、ILO(国際労働機関)は、「民間職業紹介所条約」(第181号)と同勧告(第188号)を採択しました。この条約と勧告は、派遣労働者の保護について、詳細に規定しています。
同条約の第6条は、次のように、派遣元=労働者派遣事業(民間職業紹介所に含まれます)が、派遣労働者の個人データを処理するときには、データの保護と労働者のプライバシー尊重を求めています。
民間職業紹介所による労働者の個人データの処理は、
(a) 国内法令及び慣行に従って、このデータを保護し、労働者のプライパシーへの尊重を確保する方法で実施される。
(b) 関係する労働者の資格及び職業経験に関係ある事項、及びその他の直接関係ある事項に限定される。
とくに、第188号勧告は、より詳しく個人データの保護についての原則を定めています。
11 民間職業紹介所は、審査の対象となっている又はなりうる求職者の適性を判断する上で不要な個人データを書類又は登記簿に記録することを禁止されるべきである。
12(1) 民間職業紹介所は、労働者の個人テータが収集される特定の目的によって正当化される限りにおいてのみ、又は、労働者が潜在的な仕事の求職者リストに留まることを希望する限りにおいてのみ、それらを蓄積すべきである。
(2)労働者が自動化システム又は工レクト口二ック・システムによって処理された、若しくは、手作業によるファイルに保存された自分自身のすべての個人データを入手する手だてがあることを確保するための措置がとられるべきである。
これらの措置は、労働者がそのようなデータのいずれのコピーも入手し、調べる権利、及び、誤った又は不完全なデータが削除又は訂正されるよう要求する権利を含むべきである。
(3) 特定の職業の要件に直接関連し、又、関係する労働者の許諾の表明がなければ、民間職業紹介所は、労働者の医療に関する状態についての情報を求め、保持し又は利用し、若しくはそうした情報を労働者の雇用への適性を判定するために利用すべきではない。
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