updated Aug. 24 1998
派遣110番によく寄せられる質問と回答例(FAQ)


質 問 と 回 答 例 (F A Q)

3060. 派遣先が派遣元を通さずに当初の労働時間を変更するといってきました。従わなければならないのでしょうか?
 就業条件明示書に記載された労働時間の範囲でなければ従う必要はありません。
 派遣元は労働者を派遣するときには、派遣労働者に、派遣先での就業条件を明示した文書(就業条件明示書)を渡すことが義務づけられています。労働者派遣法では、派遣労働関係が複雑な構造であることから、とくに、派遣労働者が派遣先で就労する前に、派遣元が「就業条件明示書」を示すことを義務づけています。この就業条件明示書には、次の点を明示することになっています。(労働者派遣法第三四条、労働者派遣法施行規則第二五条)。
 この就業条件についての書面(書類)がなければ、重大な法違反です。明示しておかなければならいない、事項は次の表のとおりです。

【表】就業条件明示書に記載すべき事項
 1.派遣労働者が従事する業務の内容
 2.就労する派遣先の事業所の名称、所在地、就労の場所
 3.派遣先で、就労を指揮する者の氏名
 4.労働者派遣の期間及び派遣就業する日
 5.派遣就業の開始・終了の時刻および休憩時間
 6.安全衛生に関する事項
 7.苦情の処理に関する事項
 8.派遣契約解除の場合の措置(以上、労働者派遣法第26条1項)
 9.派遣元責任者に関する事項(労働者派遣法施行規則第22条)
10.派遣就業日以外の就業や時間外の派遣就業ができるとした場合の当該の日
   又は延長できる時間数(労働者派遣法施行規則第22条)

 もし、派遣元がいまだに、これらの項目の就業条件明示書をあなたに交付していないのであればそれだけでも労働者派遣法・労働者派遣法施行規則違反ということになり、派遣元は、一〇万円以下の罰金を受けることもあるほど、厳しい規定です。
 この就業条件明示書には、「派遣就業の開始・終了の時刻および休憩時間」が記載さているはずです。派遣先は、派遣元との間で労働者派遣契約を締結し、この就業条件明示書に対応する事項について合意しています。労働時間についての変更を求めるときには、派遣労働者に直接指示することはできません。派遣先は、派遣元との労働者派遣契約変更を経て、派遣元から派遣労働者に労働時間変更の申込みをしなければなりません。

モデル就業条件明示書
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