1997年11月29日 派遣法違反一掃かちとる/健保労組二本松支部/調理師先頭に団結

 労働者派遣法の派遣業種に指定のない病院の調理職場で、今年四月、正職員の調理師が開設された老健施設に転勤した直後、病院側はその補充を派遣労働者にすり替えたことに対し労働組合が法違反だと追及。自らの問題と受けとめた調理師ら組合員が、治療食である病院給食は「職員の手作りで」と粘り強く交渉する中で、老健施設を含む調理職場の派遣法違反を十二月十日で一掃、という内容の労使確認書を勝ち取った。

 派遣法違反と闘っていたのは、社会保険福島二本松病院(福島県)の組合、健保労組二本松支部(藤原二三子支部長、百十五人)。

 発端は今年四月、同病院が開設したばかりの老健施設に、病院の正職員の調理師三人を転勤させた。問題はその補充。組合は三月、転勤に伴う補充は正職員でと要求。病院側も「原則として正職員で対応する」との約束があった。

 ところが、補充されたのは交替制のパート調理員六人で、しかも、派遣会社の『メフォス』が雇う派遣労働者。そればかりか老健施設の調理職場でも、転勤者三人を含む六人中、三人までが派遣労働者だった。

 調理職場は、労働者派遣法が認める派遣二十六業種の対象外。この明らかな派遣法違反を組合が知ったのは、派遣が導入された二日後の四月十七日、新組合員歓迎集いのまっ最中の出来ごと。当然「集い」は『派遣法違反対策会議』に急きょ変更。翌十八日には即座に交渉を持ち、取り組みをスタートさせた。

 職場の派遣法違反を一掃させる確認書に、労使が押印したのは十一月十七日のこと。屋田喜久子副支部長は「調理師の組合員が先頭になり、自分たちで闘って阻止したことは支部の歴史に残るし、今後の働く権利を大切にしていく力になると思う」と語っている。
(「連合通信・隔日版」)


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