RoboCup 小型リーグの OMNI チームを率いる升谷先生に函館で初めてお会いして、色々なお話をさせて頂いたのですが、そのお話を通じてパフォーマンスコンテストが行われる事を知りました。しかも今年からは LEGO MindStorms を使い、画像処理の結果を使って PC から制御を行なうという話を聞き、「これは実際に見に行くしかないでしょう」と即決、会社をサボって大阪まで見学に行きました。
事前に行われた規定演技の様子をビデオで上映。天井カメラからの画像を使って、障害物を避けながら左下の赤い部分のゴールに向かうように、Linux 上で動くプログラムでロボットの動きを制御しています。
Linux マシンからは赤外線でロボットを制御します。規定演技とはいえロボットはユニークな形状をしていますねぇ。ぜひ生で見たかった〜。
コンテストは規定演技と自由演技の２本立てになっています。規定演技の方は、Linux マシンによる画像処理を使って障害物を避けながらロボットをゴールに到達させるというものです。一方自由演技の方は、Linux マシンによる画像処理と MindStorms を使えば何をやってもよい、というものなのですが、観客を楽しませたり驚かせたりすることが要求されているようです。今回はＢ２の学生さんも加わった５チームが参加して、それぞれユニークなパフォーマンスを繰り広げました。
MindStorms を使った射出装置から発射されるピンポン玉を、ビデオカメラを内蔵した銃で撃つというものです。射出装置はプレイヤーの両側に配置され、２個のピンポン玉を左右交互に射出します。銃にはビデオカメラが格納されており、引き金を引くと銃口が開いてカメラに外光が入り、画像がキャプチャされる仕掛けになっています。このキャプチャされた画像の所定範囲内にピンポン玉が認識された時、得点が入るという訳です。
この射出装置により、両側からピンポン玉が射出されます。射出のタイミングは RCX により制御されています。
カメラを内蔵した銃の引き金を引くと、画像がキャプチャされます。この時キャプチャ画像の円の中にピンポン玉が入っていれば得点になるというシカケです。
升谷先生も参加。銃を構えた時には、すでにピンポン玉は地面に....。(^^;
トレーナが黄色い風船を手に持って動かすと、その動きに合わせてアシカロボットが移動するというものです。そして風船が自分の近くに飛んできた時には、風船の着地予想位置の真下に移動して、高速回転する前足？を使って風船をトレーナに返します。
黄色いアングルビームが高速回転しています。前後で異なるマーカを取り付け、アシカロボットの向きを正しく認識出来るようにしています。
左にいるトレーナが黄色い風船を投げると、着地点を予測してアシカロボットを移動させます。小さい写真では見にくいですが、着地予測位置が白い円で表示されています。
見事に風船の着地点に到達！但し風船がトレーナの元に戻るかどうかは神のみぞ知る....。(^^;
ロボットがゴルフボールをリリースし、ブロックで出来たピンをなぎ倒すボーリングシステムです。画像処理でロボットの移動方向を決定し、倒れたピンの認識も行なっています。倒れたピンは、下からヒモで引っ張ることで自動的に復帰します。ボールをリリースする際に重心の変化でロボットの向きが変わり、なかなかボールがピンまで到達してくれませんでした。
右側のロボットがレーン上を進み、途中でオレンジ色のゴルフボールをリリースします。そして左側のピンを倒すのです。
ロボットを進ませる前に、天井カメラからの画像を使って、ピンの方向にロボットの向きを自動的に合わせています。
最初は右側の２足歩行ロボットにボールを投げさせたかったとのこと。この２足歩行ロボットは、まだ未完成ながらナイスな動きをしており、今後が楽しみです。ぜひ完成させて下さい！
２足歩行ロボットの動画 (MPEG 形式 8秒 417KByte)
２足歩行ロボットを作成した金さんの Web ページ
ウナギイヌロボットとレレレのおじさんロボットによる協調動作を実現したパフォーマンスです。レレレのおじさんロボットは、ウナギイヌロボットに対してつかず離れずジグザグな動きで一定の距離を保ちます。また、元祖天才バカボンのテーマソングに合わせてゴミを掃除し、ゴミが無くなったら元祖天才バカボンのエンディングテーマに合わせて去っていきます。
レレレのおじさんロボットは、ウナギイヌロボットに対して一定の距離を保ちながら動きます。もちろん掃除もしますが、実態は黒いブロックを撒き散らすだけとか。
天井カメラから取得したウナギイヌロボットの位置に対して、ジグザグな軌道を決定し、レレレのおじさんロボットを動かしています。
ウナギイヌロボットは Joe さんのウォーカ２号をベースにしていますが、モータを２個搭載することでゴミを乗り越えられるようにしたり、転倒しないように足の側面からシャフトを伸ばしたり、遠くに行った場合には後ろのプロペラにケーブルが絡まって動きが止まるようにしたりと、随所に工夫が凝らされています。
ウナギイヌロボットやPCソフトを作成した石井さんの Web ページ
剣を構えたロボットが、竹の位置を認識して接近し、剣を振り下ろして竹を割っていきます。ちょっとサイズが大きいですが、動画を見て下さい。最後に月が落ちて暗転するなど、ロボットだけでなく演出もナイスで最高でした！
このロボットが竹を割ります。剣を構える姿がカッコイイです。袴から見える足先、芸が細かいです。
天井カメラに移った画像から竹の位置を認識し、近くの竹から近づいていきます。ロボット上部の赤いマーカも、方向を認識出来るように前後非対称になっています。
竹を割る瞬間。剣の振り下ろしが早すぎて、ビデオカメラでは追いついていません。光る目にも注目。
使用したシステムは牧瀬さんの Web ページに掲載されている IR Booster の回路図通りに作成したものを使用しておりました。但し電池の消耗が激しいので、増設基板だけでなく、改造した IR Tower の方も外部電源を使えるように手が入っていました。
どんなものになるのか、全然見当も付かないまま見学させてもらったのですが、非常に楽しいコンテストで、色々な意味で刺激になりました。また MindStorms だけを使うのではなく、ナイスかつ工夫されたデコレーションも非常に新鮮でした。コンテストについての情報を教えて下さった升谷先生、そしてコンテストに参加された皆さん、コンテスト開催を支えられた皆さん、楽しい時間を頂き本当にありがとうございました。