血管年齢を若く保つには

 いつまでも若々しく健康でいるために大事なことは、血管の若さを保つことです。そのためには、いかに動脈硬化を防ぐかが問題となります。
 動脈硬化を起こすきっかけには、体質や加齢があるのはもちろんですが、糖尿病、高血圧症、高脂血症、喫煙、肥満、ストレスなども無視できない原因です。したがって血管の老化を予防するためには、生活習慣の見直しが重要なカギとなります。
 
*動脈硬化とは?
 動脈の壁にコレステロールなどが溜まって、硬くなってしまう現象をいいます。内腔が狭くなるので、血液の流れが減少し、何かのはずみで、一気に血の塊(血栓)ができて、詰まってしまうことがあります。それが心臓の血管に起これば心筋梗塞、脳の血管に起これば脳梗塞となるのです。
 
*検査
 頚部超音波検査装置(当院に装備)で、頸動脈の硬化の程度が観察できます。糖尿病、高血圧症、高脂血症で治療中の方や、煙草を吸う方や、肥満気味の方は、一度検査を受けてみてください。
 
*治療
 生活習慣の改善が大事です。以下に秘訣をあげます。
 
食事
食べ過ぎに注意:食事量が多いと、肥満、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などにかかりやすくなります。腹八分目を心がけましょう。

食事内容の工夫:肉類には脂肪や悪玉コレステロールが多いので、なるべく減らしましょう。魚や大豆製品のほうがお勧めです。油を使わない献立を多くしましょう。

食事は規則正しく:朝食をとらずに夕食で一気に食べると、エネルギーを脂肪として蓄えやすくなります。間食もカロリー過剰になるので避けましょう。

味付けは薄めで:塩分を摂りすぎると血圧が上がります。漬け物や練り物なども塩分が多いので控えましょう。

外食は定食ものに:丼ものだと野菜が少なく、油、砂糖、塩分が多くなってしまいます。定食を注文し、もしも量が多ければ残しましょう。

運動
 寒いとどうしても家の中で、ぬくぬくと過ごしがちです。小春日和の日には外へ出て散歩やサイクリングを行いましょう。有酸素運動を行うと善玉コレステロールが増加し、脂肪は燃焼します。

生活習慣
 正しい生活習慣を意識するため、体重と血圧は毎日チェックしてください。増えるようならば要注意です。
 冬場は寒さを避けることも大切です。トイレは暖房便座で、脱衣所は小型の暖房器具を置いて暖めましょう。浴室も風呂のふたを開けたり、温水シャワーをかけたりして、十分に温めてから入りましょう。
 アルコールの取りすぎに気をつけて休肝日を設定しましょう。
 煙草は活性酸素を出して動脈硬化を促進させますので、禁煙を心がけましょう。
 ストレスも大敵です。自分に合ったストレス解消法をいくつか身につけましょう。そして十分な睡眠を確保しましょう。
  
薬による治療
 糖尿病、高血圧症、高脂血症などはそれぞれきちんと治しましょう。医師とよくご相談ください。

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