ボウリングって孤独なスポーツ?

 令和元年に開催されたラグビーワールドカップ日本大会では、
日本代表は準々決勝で敗れはしたものの、初のベスト8進出という
歴史的な快挙を成し遂げることができました。
選手の中には外国出身者も多いのでラグビーに対する考え方も様々だろうから、
チームとしてまとまるのはさぞや大変だったと思われます。
でもワンチームになることで皆が強く結びつき、体格で勝る外国勢に対して
堂々と競い合えたことは感動ものでした。
何よりもテレビを見ていて感じたのは、他チームを圧倒する日本の連帯感の強さです。
これは団体競技ならではのもので、選手たちのひとつになった心が成せる業なのでしょう。
ちなみに「ワンチーム」という言葉は、2019年新語・流行語大賞に選ばれました。

(群馬県医師会ボウリング大会で選手宣誓)

 振り返ってボウリングはどうでしょう・・・
ボウリングって孤独で寂しいスポーツだ。
最初から最後まで一人で投げなければならない。
良いも悪いもすべての責任は自分だけにある。
練習するのもバトミントンやバスケットボールみたいに相手は必要なくて、
ボウリング場に行ってただ黙々と投げるのみ。
4人チーム戦とかダブルス戦とかあっても、実際にはただ一人でプレーしているだけで、
だれもサポートしてはくれない
・・・な〜んて思っていませんか?

(同大会優勝)

 でも違うんです! 
ボウリングは確かに自分自身の技量が点数に直結するスポーツですが、
競い合う相手がいない分、メンタルがかなり影響するスポーツでもあるのです。
大会においては好調が続いているうちは問題ないのですが、
ゲーム中には必ず調子の波があって、突如として何度投げてもうまくいかなくなることがあります。
そのうち気持ちが萎えてきて、もうだめかもしれないと諦めてしまいがちになります。
そんな時にチーム戦であれば、一緒に投げている仲間が声を掛け合って励まし、
再び戦う気力を呼び起こしてくれるのです。
まさにワンチームとして機能するのです。
シングルス戦で投げているときも、仲間が後ろから応援してくれればどんなに心強いことでしょう。
大会前に皆で集まって練習しているときだって、勝利に向けて気持ちはひとつになっています。
もちろん大会後の打ち上げ会(もしかしたらこれが一番まとまっているかも?)───のときも(笑)。



 余談ですが、イングランド代表が決勝の南アフリカ戦を目前に控えて、
ボウリングでリフレッシュしたことをご存知ですか。
ボウリング場に集まった選手たちが、普段の楕円形のボールから丸いボールに持ち替えて、
次々と投げまくりました。
ストライクが出たときには、まるでトライを取ったかのような大はしゃぎだったそうです。
きっとよい気分転換になったことでしょう。
(でもその後、南アフリカに負けちゃったですよね。まあ、ボウリングのせいじゃないと思うけど・・・)
 
エッセイ集に