過敏性腸症候群 下痢や便秘で悩んでいるのに、腸の検査をしても大きな異常がない方がいらっしゃ います。これは腸の動きが狂っているためで、不安や緊張などの心理的なストレス の影響を強く受けているのです。こうした心の疲れが原因となって起こってくる一 連の腸の運動失調を過敏性腸症候群といいます。 種類 症状により3種類に分類されます。 便秘型:ウサギの便のような硬いコロコロとした便が出て、便秘に悩みます。 下痢型:食べ過ぎたわけでもないのに水のような便が持続します。 下痢・便秘交替型:下痢と便秘を繰り返します。 治療 まずは気分転換を:ストレスをなくすことはなかなか難しいものです。いっそのこ とストレスを避けるのではなくその存在を認め、うまくつきあっていくようにして みてはいかがでしょうか。考えすぎてもらちがあかないことは、考えるのをやめま しょう。適当な運動や趣味を持って、リフレッシュを心がけましょう。 規則正しい生活を:食事は1日3食しっかりと食べましょう。また排便も決まった 時間にトイレに行くようにしてください。朝食もとらず、トイレにもいかないよう なあわただしい朝はよくありません。早寝早起きを実行して、余裕のある朝を迎え てください。 食事に気をつけて:食事はゆっくりとよく噛んで食べてください。油っぽいものや 辛すぎるものは避けましょう。アルコール、炭酸飲料、冷たすぎるものもよくあり ません。下痢型の人は消化のよいものを、便秘型の人は食物繊維の多いものを選ん でください。 内服療法:過敏性腸症候群の型に合わせた処方を行いますので、きちんと服用して 勝手に止めないようにしてください。下剤、下痢止めの他にも、消化酵素薬、腸の 運動機能調節薬、精神安定剤、漢方薬などを組み合わせることで腸の調子を整えま す。