胆石症について


 胆石はコレステロールやビリルビンという胆汁成分が濃縮して結石となったもので
す。原因としては胆嚢の機能不全や細菌感染などが考えられています。女性は男
性のほぼ2倍の保有率を示しています。

症状
 右上腹部の突然の激しい痛みが特徴で、右背中や右肩にまで放散することもあり
ます。ひどいときは発熱や黄疸をきたすことも少なくありません。しかし一方で、胆石
はあってもまったく症状のない無症状胆石(サイレントストーン)という場合もあります
。しかしこのような人も、胆石があることによって胆嚢癌になる危険性が増すといわれ
ているので、腹部超音波検査を定期的に受けるようにしてください。

治療
 食事療法:胆嚢の働きをスムーズにすることで腹痛を予防します。具体的には胆
嚢を収縮させる脂肪の摂取を控えることが大事です。一気に食べ過ぎたりすると胆
嚢の機能に支障をきたしやすいので、大食いをさけてください。また食事と食事の
間隔が長くなりすぎると、胆嚢内に胆汁が長時間とどまることで胆汁の濃縮が起こり
、胆石の形成や発作の誘因になるので、食事間隔を規則正しくしましょう。便秘は腸
の内圧を高め、胆石発作をきたすことがあるので、食物繊維を多めに取り、規則正
しい排便習慣を心がけて下さい。

 内服療法:ウルソデオキシコール酸という薬を1年ぐらい服用することで、胆石が
溶解する場合もあります。適応は胆嚢内の結石で、大きさが直径2cm以下、数が3
個以下の場合です。完全溶解率は20%程度です。

 体外衝撃波破砕療法:体外から高電圧でつくった衝撃波をあてて、胆石を砕く療
法です。少しちくちく感じますが、寝ているだけでよいので楽ですが、いったん溶解
に成功しても、再発することがあります。

 手術療法:胆嚢を摘出する手術はかってはお腹を切り開いていたのですが、最近
は腹腔鏡という機械をおへそから入れて行えるようになり、入院も約1週間ですむよ
うになりました。