子宮外妊娠

 受精卵は子宮腔内の子宮内膜に着床するのが正常ですが、それ以外の場所に着床
した妊娠を子宮外妊娠といいます。受精卵の付着場所によって、卵管妊娠、卵巣妊
娠、腹膜妊娠、頸管妊娠に分けられます。

成因:正常妊娠の場合は卵巣から排出された卵が卵管内に取り込まれ、受精をした
あと子宮腔へ運ばれて、内膜に着床することで成立します。子宮外妊娠の場合は、
受精卵の輸送障害や受精卵そのものの異常により起こります。主な原因としては、
卵管の炎症、子宮内膜症、卵管の発育異常や奇形などがあります。

症状:受精卵の着床部位によって異なりますが、卵管破裂を起こすと腹腔内に大量
の出血が起こり、激しい腹痛となります。胃腸などに由来する腹痛と鑑別が必要と
なることもあります。出血が進むと、貧血やショックを起こします。

診断:生理が遅れているか否かがまず大事な要素です。子宮外妊娠を疑った場合は
妊娠反応テストを行い、陽性であれば可能性が高くなります。腹部超音波検査で腹
水が認められれば腹腔内出血が考えられます。

治療:外科的治療が主体となります。