気になる胃もたれ


 食べ過ぎたわけでもないのに、食後にお腹が張っていつまでも胃が重く、
次の食事の時間になっても食欲がない───という訴えをよく聞きます。
これを「胃もたれ」と言い、原因のはっきりしないケースが多いのです。
 
 最近になってこのような症状は、胃の粘膜の具合が悪いのではなく、
胃の動きに問題があることが分かってきました。

  食事が入ってきても、胃がうまく動かなくては胃液と混ざらないし、
小腸への排出もスムーズにいきません(排泄障害)。

 また、胃が十分に膨らまないと食べ物が入ってきてもうまく溜めて
混ぜることができず、胃もたれが起こることもあります(弛緩障害)。

 こういった病態を機能性胃腸症(FD)と呼びます。
 
 ただし胃・十二指腸潰瘍や胃がんなどの病気が隠れていて、
胃もたれが起こることもありますので、症状だけから
機能性胃腸症と診断するのは危険です。
必ず胃内視鏡をして、他の病気がないことをきちんと
確認しておくことが大事です。

 また膵炎になると、もたれ感が現れることがあるので、
血液や尿検査も合わせて行っておくことも必要です。
 
 治療法

 日常生活での注意
   十分な睡眠
   ストレス発散
   アルコールは控えて
   煙草は止める
   食べ過ぎに気をつけて、腹八分目を心がける
   規則正しい3度の食事
   よく噛んで食べる
   食後はすぐに動かないで休憩を
   消化のよいものを食べる
   間食や夜食を控える
   早食いをしないでゆっくりと食べる
   夕食が遅いときは量を少なめにして、翌日の朝食をしっかりとる
 
 薬物療法
   消化管運動機能改善薬:胃腸の動きを活発にします
      抗うつ薬:精神的な影響による胃の不調を治します
      胃酸分泌抑制薬:胃酸が十二指腸に大量に流れ込んで
           胃の動きを止めてしまうのを防止します
      漢方薬:胃をリラックスさせる効果があります
 
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