真・エアコンクリーニング

■実に引越しから十ヶ月の長い沈黙を経て、ついに勧誘電話が我が家に上陸しました。
 
女 「もしもし、奥様でいらっしゃいますか?」
私 「はい、そうですけど」
女 「私どもは、AKSと申します。今、お電話よろしいでしょうか」
 
 忙しいとつっぱねようかとも思ったが、何しろ久方ぶりのセールス電話。一体なんの勧誘だろう・・・
 と、そんな感じで一呼吸の間逡巡していた私だが、なんとその間テレアポのお姉ちゃんはこちらの返事を黙って待っていたのだった!
 
女 「あのー、少しで良いので、お時間よろしいでしょうか」
 
私 「あ、いいですよ」(相手の腰の低さに動揺している)
女 「私どもは、AKSと申しまして、エアコンクリーニングサービスを受けたまわっております。この度、キャンペーン中で・・・」
 
 はいはい、エアコンのクリーニングにキャンペーン中ときたか。
 
女 「・・・通常一台一万円のところが、特別に三割引のお試し価格でご紹介させていただいております」
 
 ありゃ? 一万円で三割引って七千円? 今まで千円だの五百円だの無料だのって電話ばっかりだったけど、なんだかずいぶん耳慣れない金額だなあ。
 
女 「今お使いのエアコンは、いつ頃お買い求められたものでしょうか?」
私 「今年の春に買ったばかりです」
女 「あ、そうなんですか・・・。あの、他にエアコンは何台お持ちでいらっしゃいますか?」
私 「その一台だけです」
女 「そうですか・・・
 それでしたらば、また二、三年ほどのちにAKSをよろしくどうぞお願いいたします」
私 「・・・はあ」(話の展開に頭がついてきていない)
女 「では、失礼いたします」ガチャン
 
 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・
 ・・・
 なんだ、本当にエアコンクリーニングの営業だったのね

■ハウスクリーニングを口実にして掃除機や浄水器や布団なんかを売りつける、似非クリーニング業者の電話しか受けたことが無かったんで、思いっきり驚きました。
 
 そうだよね、クリーニングの勧誘電話なんだから、掃除する必要のない家には用は無いよね・・・。
 以前に受けたクリーニング系の電話は、どう断っても「なんとかして家を訪問する約束をとりつけるぞ」ってな執念を感じる電話ばっかりだったんで・・・。はい、思いっきりフェイント突かれた気分です。
 
 まあ、もしかしたら今までと同じような似非クリーニング業者だったのかもしれませんが、
 (1) まず会社名を名乗り
 (2) 電話を続けても良いか相手の都合を尋ね
 (3) 引き際をわきまえる
 という完璧な展開のおかげで、ものすごく印象が良いです。
 商売人は、こうであって欲しいですねえ。

(2003.2.3)