テレアポ氏の憂鬱3

■ペンネーム「詐欺の片棒」さんからの投稿です。

 実は以前に在宅勤務でテレアポをやっていた事があります。
 ここに投稿するのは、ちょっと違うかなーと思いつつ、こっち側の情報もあると面白いかもと思い、投稿させて頂きました。
 
 私がアポを取っていた雇い主は、一応、JASDAQに上場していて、会社名も、会社のURLや折り返しの番号も聞かれた場合はお答えしていました。
 
 でも、実際の料金やサービスの詳細などはお知らせせず、まずは、アポを・・・という辺りは、英語教材などと一緒ですよね。
 
 私自身、セールスの電話には辟易していたので、迷惑だろうなーと思いつつコールして、実際に嫌そうな声を聞くと謝ってしまって、逃げるように終了していました。
 時には、遊んでるな・・・と感じるお客様もいて、ひたすら平謝りでなんとか切ってもらいました。
(一応、こちらから切ってはいけない事になっていました。)
 
 そんな私のコールでも、1日(5時間くらい)に1人くらいはアポが取れてしまうのです。
 えー? 何で!? もっと安くて良心的なところはいっぱいあるよと思うのですが、アポが取れると努力が報われたように錯覚してしまって、嬉しくて、どんどん話を進めてました。
 
 また、電話の内容は録音されているので、本音をこっそり話すということもできないのです。
 断られると逆に安心した程でした。
 
 結局、相手に迷惑がられる毎日が、辛くて辛くて2ヶ月で辞めてしました。
 当時はすごく些細な事で泣いてしまったり、休日はだるくて起きられず、口の中は口内炎だらけでした。
 
 報酬は、基本的にはハローワークに書いてある最低賃金の半分以下で、成績に応じて上がるのですが、在宅勤務ということで足元を見られているような金額でした。
 それなのに、そんな短期間にも、何人も応募していて、驚きました。
 
 みなさんが心から迷惑したり、ちょっと時暇つぶしに使っているテレアポの中にはこんな風に雀の涙程度の報酬で、良心と戦いながら、自宅の電話を使って働いている地方の育児中のママさんがいるかも知れません。
 
 だからって、詐欺の片棒かついでいいって訳はないのですが・・・。
 
 こんなに書いちゃって守秘義務違反かな・・・。

■求人誌や求人広告などで、結構「テレフォンアポインター」の文字を目にします。私も、悪徳商法マニアなんかじゃなかったら、そういった求人に応募することだってあったかもしれません。
 
・いつも沢山募集している! ← 大きな会社なんだな、安心かも (本当は離職率が高いから、常に補充しなきゃいけないわけで)
 
・経験不問、ノルマ無し! ← じゃ、私にもできるかも (ノルマが無かっても、出来高制なら報酬は・・・)
 
・電話でご案内をするだけのお仕事です。 ← 簡単かも (「電話でのご案内」を受けた人の反応を考えると、簡単にはいかないよなあ)
 
 「良心の呵責に対する耐久力に満ち溢れた、強気で口が上手くて話し好き」なんて、すべてを理解した上でテレアポ業に飛び込む天職な人はともかく、「こんなはずでは」「これほどまでとは」と、求人広告の裏を読み取れなかった人にとっては、ツライ仕事だと思います。
 離職率高いわけだ・・・。
 
■「電話の内容は録音されているので、本音をこっそり話すということもできない」とは、また、キビシイですね。
 すると、沢山のテレアポの沢山の通話記録を、チェックする人がいるんでしょうか。会社の利益を確保するためなら多少の手間は惜しまないという、執念に似た情熱を感じます。
 
 この「詐欺の片棒」さん(ううん、呼びにくい)のケースは在宅勤務だから、録音は純粋に勤務状況のチェックの為なんでしょう。決して、そこまでテレアポを管理しないと造反者が出ると認識しているから、じゃないですよね・・・両方を兼ねてるかもしれませんが。
 
■「詐欺の片棒」さん、ゆっくり養生して下さい。お疲れ様でした。

(2005.6.20)